【放送日時】
2015年10月25日(日)深夜0:55~放送
【ナレーション】
仲代達矢
【番組内容】
 昭和36年、三重県名張市で女性5人が殺害された「名張毒ぶどう酒事件」。
35歳で逮捕され、死刑が確定した奥西勝(89)は塀の中から無実を訴え続け、一旦は再審開始決定が下されたものの、すぐに取り消された。
 事件から54年。現在も再審請求を続けている奥西は、3年前に肺炎を患い、八王子医療刑務所で寝たきりの生活を送っている。4つ年下の妹は、山間の村にひっそりと暮らし、静かに無実を願い続けている。
そして10月4日(日)、奥西が獄中死した。
 一方、昭和41年、静岡県清水市の味噌会社で4人の焼死体が見つかった「袴田事件」で確定死刑囚となった袴田巌(79)。無実を主張し続け、去年、ついに再審開始決定が下された。死刑の執行停止とともに、47年ぶりに釈放された袴田は、3つ年上の姉との生活している。自由な生活を取り戻したものの、長年の拘置所生活により、精神障害に苦しめられ、まともな会話ができないことも。何気ない言動が、長期拘留の残酷さを物語る…。
 2つの事件の判断を分けたのは「証拠開示」。検察から600点以上の証拠が開示された「袴田事件」と、有力な証拠が開示がされない「名張毒ぶどう酒事件」。再審開始のカギとなる証拠開示の現状を検証するとともに、半世紀に渡り、司法に翻弄され続けた2人の死刑囚とその家族の人生を振り返る。