2008年04月10日

- ――圭二郎は、戦争が精神的な痛手となり、病床に伏しているという役どころですが。
- ええ。戦争に人生を狂わされてしまった画家という大変に興味深い役です。圭二郎は家族と精一杯に生きているのに、どうしようもない大きな不幸に飲み込まれてしまいます。
- ――そんな圭二郎を演じる上で、心がけていらっしゃることはありますか。
- 物語の舞台となった昭和25年は、現代に比べて人と人との関わりが密接です。なんというか家族同士の距離がものすごく近いのですね。しかしその一方で、親と子の間にもきちんとした礼節がある。圭二郎も芸術家でありながら決して無頼漢ではなく、家族を第一に考えています。そういった圭二郎の姿を通して、家族の絆の素晴らしさを視聴者の方々に伝えていきたいと思っています。私自身も、普段はクールな演技に努めているのですが、家族をテーマにした物語ではついつい体温が上がってしまいます。
- ――長谷川さんご自身と、圭二郎は似ていらっしゃると思いますか。
- そうですね、遠くはないと思います。実は私も、ぜんそくで俳優の仕事をお休みしていた経験があります。そういう意味で、私と圭二郎は、もともと良く似た葛藤を抱えている部分があるんです。仕事をしたいという気持ちはあるのに、体がついてこないという苦しみは、とても良く理解できます。
- ――撮影現場の雰囲気はいかがですか。
- 尾崎亜衣さん・由衣さんの姉妹が清楚で、本当の娘のように感じています。楽しくやらせていただいていますよ。
昼ドラの撮影は、スケジュール的にはきついですが、気持ちまでセコセコしないよう心がけています。今回の現場は、共演者・スタッフが尊敬しあって、力をフルに発揮できる雰囲気。私も、そのために少しでも力添えできることがあれば積極的に協力していきたいです。現場の雰囲気は、テレビの画面にこそ映りませんが、それは料理で言うところの隠し味のように作品に作用していくと思っています。
- ――最後に「花衣夢衣」の、見どころを教えてください。
- 昭和25年…ボタンを押してなんでも出てくる時代ではありません。戦後、人間が何もないところから精一杯生き抜いていく躍動感を、まずは感じていただきたいです。
「花衣夢衣」は架空の物語ではあるけれど、ノンフィクション的な説得力を持っています。この物語が特別でない時代が、日本には確実に存在していました。そして、この時代を生きた人生の先輩達がいるからこそ、今の時代が、私たちの時代があるわけです。「花衣夢衣」というドラマが、あの時代を覆っていた時代の空気と、その背景を伝えられればとてもうれしいです。


