――初江を演じられたご感想は?
奈緒子が大きく成長するためのきっかけになる役どころは、かなり重いものがありました。初めて台本を読んだ時、“最初から最後までがなり立てている老女”というのがインプットされ、のちに何度も台本を読み返していくと、ユーモアがあって愛情深い、また自分の仕事に情熱と自信を持ち、その中から出てくる優しさがたまらなく好きになっていきました。
――左さんが考える初江像や、役作りに関して気をつけたことなどがあればお聞かせください。
老いた女性を演じるのはあまり経験がなく、年齢のギャップに気を取られて役そのものに入りきれず、表面的なことに気を取られ過ぎました。が、ある時点から初江そのものに興味が出てきて、年齢とか方言も少し頭の中から離してみようと思った時から、とても初江が好きになりました。だんだん私の中で生き生きとしてあらわれてきて、初江を演じることが楽しくなってきました。
――撮影中の印象深いエピソードについてお聞かせください。
金沢でのロケは、奈緒子との出会いやリヤカーを引きながらの川辺の語らい等、やはりドラマに深さを与えてもらい、助けられるものがたくさんありました。
また、大女将とのお茶をしながらの語らいはセリフで話していたのか、普通の二人のおしゃべりだったのか、今では定かではありません(笑)いつの間にか本番が終わっていて、野際さんの大きさに包まれて感謝です。
――ご自身が出演されている中で、今回もっとも"お気に入り"のシーンは?またその理由もお聞かせください。
最後の囲炉裏での別れのシーンは忘れられません。奈緒子の卒業、そして明日からまた気ままな、頑固な、孤独な老女の日々が始まる悲しさを同時に感じていました。
――最後に、番組をご覧の皆さまへメッセージをお願いします。
奈緒子の奮闘ぶりは、なかなかなドラマだと思いますが、羽田さんの心細やかな、女性らしい愛くるしさもなかなかのものですよ(笑)これからもお楽しみに~。