- 3年前に起きた“的場一家殺害事件”の被疑者として起訴され、死刑を求刑されたが、無罪放免になった。紳士然とした立ち居振る舞いで、穏やかな性格。趣味はバウムクーヘン作りで、とことん他人に尽くすタイプの男。無罪判決を下してくれた裁判長・梶間勲の家族と良好な関係を築き人生をやり直したいと願って親切に尽くすが、勲に的場一家は自分が殺したと明かし…。
- 主婦。明るく快活な性格ではあるが、育った家庭環境が決して人並みに幸せなものではなかったため、自分は温かい家庭を築くことを目指している。琴音の両親が営む和食屋でパートをしている。隣家に引っ越してきた武内の言動を真っ先に怪しむ。梶間家で孤立しながらも武内から家族を守ろうとし、また彼に対して想いを寄せる琴音の身を危ぶんでいる。
- 俊郎の母。専業主婦一筋。家族への愛情に満ち、皆に優しく接する良き母。家族のために自分の時間を犠牲にしてきた。自らを絶望から救い出してくれた武内に心酔しきっている。
- 雪見の夫で、勲の一人息子。楽天的な性格で軽口を叩いてばかりの、お坊ちゃん。これまで職を転々とし、現在は司法試験の勉強中。武内が人生の道を開いてくれたことに感謝し、とことん武内を信用してしまう。
- 雪見と俊郎の娘。優しくしてくれる武内になつく。
- 弁護士。的場一家殺害事件で武内の弁護を担当。武内を無罪に導く。彼からの過剰な好意に辟易し、恐れを抱いているさなか、事務所に血痕をのこして失踪する。
- 2歳の息子を持つシングルマザーで、雪見の友人。雪見がパートで働く和食屋の娘で、思ったことをすぐ口にしてしまう。武内に対して想いを寄せるが、彼にとっての家族は自分ではなく梶間家であると明かされ、雪見たちに対して特別な感情が芽生え始める。武内への愛は狂気へと変貌し、彼に対して復讐を遂げようとした池本を迷わず殺害する。
- 三年前に殺害された的場久美子の兄。雪見に接触し、武内は危険だと警告する。怒りから精神を病み、武内の化けの皮を剥ぐ事に全てを懸けている。一度失踪した後、再び現れて武内と対決するが、その真っ最中に、背後から琴音に刺されて死亡する。
- 池本の妻。夫と志を同じくし、武内に対して復讐心をたぎらせている。失踪した夫が武内に殺されたに違いないと考え、彼に襲い掛かる。
- 梶間家の家長で、俊郎の父。仕事一筋に生きてきた、昔ながらの一家の大黒柱。元裁判官で、現役時代に武内に対して無罪判決を下す。現在は大学の教員職に就いている。武内から直接過去の犯行を明かされ、梶間家に過剰な親切心を抱く彼の好意を無下にしたら、真っ先に殺されるのは自分だと怯えている。