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「いつかこの雨がやむ日まで」制作発表会見リポート

 7月30日(月)、都内のホテルで8月4日(土)スタートのオトナの土ドラ「いつかこの雨がやむ日まで」の制作発表会見が、主演の渡辺麻友さんと共演者の堀井新太さんを迎えて行われました。

 東海テレビの松本圭右プロデューサーは冒頭の挨拶で、「この作品での渡辺麻友さんの演技を見ないと絶対に後悔します!」と断言。去年の12月いっぱいでAKB48を卒業後、連ドラ初主演作となる本作で殺人者の妹という難役を演じるにあたり、渡辺さんはさまざまな表情を見せているそうで、物語上で重要な場面を撮ったときの演技に感動したとも。まさに渡辺さんの“女優開眼”を予感させる作品となっていることを明かしました。さらに「堀井さんなくして、この作品は成立しません‼︎」とコメント。堀井さんは自身が演じる和也のすべてを受け止め、感情豊かな演技を見せることで、物語に一層の厚みが増しているとのことでした。

 渡辺さんは辛い状況に置かれた主人公のひかりを「これまでにない役柄で、私にとってもこの作品はチャレンジです」と挨拶。その上で「強い意気込みで演じています!」と意欲的なコメント。一方、ひかりを救おうと奔走する和也役の堀井さんは「ひかりにとって希望となる役どころを演じています」と語り、「物語が進むにつれ和也はいろんな感情を吸収し、成長していきます。和也が成長する姿も見せられたら」と役のみどころをアピールしていました。

 司会を務める東海テレビの松井美智子アナウンサーとのやりとりでは、現場の雰囲気がうかがえるエピソードのあれこれを披露。
 ひかりは生活のため、キャバクラ嬢をしている設定に松井アナから「渡辺さんがキャバ嬢ということで驚く視聴者の皆さんも多いと思いますが」と聞かれた渡辺さんは、「12歳でAKB48に入って以来、アルバイトをしたことがないので、私もキャバ嬢の場面は新鮮です」と笑顔。ひかりが世間の目を逃れ生きる一方、ミュージカルスターを目指していることについては、「普段は暗いひかりがミュージカルに接しているときはいきいきとした表情を見せます。そのメリハリを見せたいです」と演じる上で気をつけている点を語っていました。また「松本プロデューサーから、渡辺さんの演技を見ないと後悔しますと言われましたが」と問われると、「私も後悔してほしいです!」と言ったものの、後悔してほしいはちょっとおかしくないですか? との声が上がり、「とにかくご覧ください!」と焦った表情を見せ、会場が一気に和やかになりました。

 堀井さんは松井アナに「松本プロデューサーから、その存在感を絶賛されましたが」と水を向けられると、「そんなことを言われると、緊張してノドがカラカラです」と困ったような笑顔。どこか少年のような表情も魅力的な堀井さんでした。

 さらに、撮影が始まってすぐに現場で起きた“事件”について、松井アナがお二人に質問。「堀井さんが渡辺さんを現場に置き去りにしたことがあるそうですね」と。これには渡辺さんが「そうです。ありました!」とすばやく反応。自然豊かな山中でロケしたときのこと。現場では大量の虫が発生し、渡辺さん堀井さんともども虫が大の苦手で大パニックになったそう。ついには堀井さんが渡辺さんのことを忘れ、速攻でその場を去ったとか。これには堀井さんが「理由があるんです」と反論。「渡辺さんの叫び声が尋常じゃないです。ついその声にビビって逃げちゃったんです」と逃走理由を明かしました。

 また、堀井さんが互いの役柄のためにも親しくなることが重要と考え、渡辺さんの呼び名を考えたと。「渡辺さんも麻友さんもなんか違うと思って。結局、“麻友氏”に落ち着きました。絶妙な距離感じゃないですか」と自画自賛。ところが結局定着せず、「(役柄の)ひかりと呼んでいます」と残念そうに。

 一方で、堀井さんには今回の共演者・木村祐一さんとの嬉しい出来事も。「実はこの現場で誕生日を迎えたんです。そのとき、まだ一度しか会っていなかった木村さんがプレゼントをくださったんです。ハイブランドのTシャツです。芸能界スゴイ!って思いました。ものすごいハイセンスなデザインなので、まだ着れてないんですけど(笑)」

 その後、フォトセッションが行われ、会見は終了、となるところですが今回はここで渡辺さん堀井さんにサプライズが。ひかりの母親・由布子を演じる斉藤由貴さんからお手紙が届きました。

 渡辺さん宛て「AKB48ご卒業後、この『いつかこの雨がやむ日まで』が初めての連続ドラマ主演作品になるとうかがいました。チーム中で活動してこられた渡辺さんには、ひとりで、女優としてやっていくことはまだまだ不安があるかもしれません。でも、歌うことと演ずることは似ています。自分の深い深いところで生まれてくる止むにやまれぬ気持ち。幸せや切なさ、悲しみを含めて、それら美しい気持ちを表現したいという気持ち。それだけを大切に日々を積み重ねていけば、きっと素敵な女優になれると思います。渡辺さんはそんな素敵な瞳の持ち主だと感じています。だからどうか、良い女優になること、約束してください」

 堀井さん宛て「ドラマの中では私が堀井さんに助けていただく役なので、逆に私が何か助けて差し上げられることあるかなーと考えたのですが、残念ながらあまりありませんでした。男の若い俳優さんはキラキラなエネルギーそのままで、まっしぐらに進んでいくだけで十分だと思います。特に堀井さんはそのタイプの俳優さんのような印象を受けます。そばでそのエレルギー浴びているだけで私も元気になれそうで、逆に私も感謝しています。撮影後半戦、お二人とも頑張ってください」

 渡辺さんはこのサプライズに大感激。女優として大先輩からのエールに目を潤ませ、「今後も一層、精進します」と改めて決意を語ってくれました。堀井さんも「まさか僕にもいただけるなんて」とうれしそうに。堀井さんによると斉藤さんはミステリアスの一言。お芝居の引き出しの多さに驚かされるそうで、「毎回、斉藤さんの演技に引き込まれないよう、“なにクソ根性”で踏ん張っています」と斉藤さんからも大いに刺激を受けていることを明かしていました。

 会見終了後に行われた囲み取材では渡辺さんが「暗闇の中でもがくひかりは私にとってそう遠い存在ではないです」と明かす一幕も。「本来の私は結構ひかり寄りです(笑)。笑顔より闇深いタイプなので」とサラっと“カミングアウト”。記者から「では、渡辺さんの闇の部分とは?」と聞かれると、「う〜ん。ってそんなこと、ここで言えるわけないじゃないですか!」と満面の笑顔。物語はシリアスタッチなものの、会見は楽しい雰囲気に包まれて終了しました。