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劇団「ウミヘビ」のコメント紹介

物語はいよいよクライマックスへ。ここまでドラマを大いに盛り上げてきたキャストの皆さんを紹介します。まずは劇団「ウミヘビ」の、個性豊かな劇団員を演じるこの方々です。

板倉チヒロさん(皆川洋司役)
 僕は舞台での活動がメインなものの、ミュージカルへの出演経験はなく、ダンスを正式に学んだこともありません。そのため、「いつかこの雨がやむ日まで」に出演させていただいたことは、とても貴重な経験となりました。
 天竺さんと芽衣ちゃんが中心にいる劇団の中で皆川は、ふたりと劇団員たちをつなぐポジッションだと思ったんです。吹越満さんや宮澤エマさんと一緒に演じる中で、どうお二人の演技を受け、メンバーに伝えようかと考えました。
 ひかりは非常に辛い環境に置かれているのに劇団を辞めませんし、ミュージカルの舞台に立つことを諦めません。それはきっと、「劇団ウミヘビ」がパワーを与えてくれる作品を発表する劇団だからだと思いました。「そういう作品を作る劇団って、劇団員たちって?」ということも、役作りの参考にした点です。
 今回はつくづく、演劇の世界にいて良かったと感じています。劇団の演出助手という役を演じる上で、アドリブじゃないですけど、これまで見聞きしたものを最大限に活かせましたから。吹越さんとは、「こういう演出家いるよね、こういう舞台俳優っているよね」という“演劇あるある”の話ができて、本当に幸せでした。というのも、僕は20年来の吹越さんのファンなんです。ただ、現場ではあくまで共演者の立場でいることを意識しました。
 吹越さんは、劇団員を演じるメンバーの演技にもビビッドに反応されていました。経験値があるからこそのアドバイスを決して押し付けでなく、僕らに教えてくださって。「想像していた通り、素敵な俳優さんだった!」とうれしかったです。ファンであることはご本人にお伝えしていませんが、もしかしたらダダ漏れだったかもしれないですね(笑)。
 劇団の場面は、劇団経験者が多い分、劇団員たちのやりとりもレッスンの場面もリアルな感じになっています。劇団としての“生っぽさ”が出ていればいいな、と思っています。

松島庄汰さん(松永裕人役)
 今回は顔合わせのときにプロデューサーさんから、「劇団のイケメン担当」と紹介されたんです(笑)。力不足ではありますが、その役割をまっとうしたいと思い、撮影に入りました。
 これまで舞台に出演してきたものの、ミュージカルへの挑戦は初めて。歌で気持ちを表現することはこんなにも奥深いものなのか、と実感しています。渡辺麻友さんや宮澤エマさんは実際にミュージカルの舞台で活躍されている方々。そういう皆さんとの共演や、上演する演目が「ロミオとジュリエット」の上、ロミオ役というのはプレッシャーでしたが、得るものも多かったです。
 ミュージカル自体、好きな作品はあるものの、劇中劇とはいえ「まさか挑戦するとは」というのが正直な気持ちです。これまで歌に苦手意識があって、「できるなら避けたい」と思っていたんです。でもこうして向き合わなきゃいけないときが来るものですね(笑)。実際やってみると楽しかったです。歌うときの表情ひとつで、セリフの印象が大きく変わる。歌にどう気持ちを込めればいいのか、歌とともにどう演じればいいのか…。今回、歌に対する考えや気持ちがガラリと変わりました。
 劇中劇は相当ハイレベルなことをやっていると思います。それもかなり短期間で仕上げて。僕はさておき、そういうことができるメンバーが揃っています。僕も微力ながら貢献したくて、時間の許す限り歌のレッスンに通ったんです。
 この作品は、ドラマ全体が“ドス黒い”ですよね(笑)。その中で、劇団のシーンはミュージカルの楽しさが伝わったらうれしいですし、作品の清涼剤になっていればいいですね。何より、劇団員メンバーがすごく仲が良いんです。その雰囲気が画面から伝われば、ドラマに明るさを加えられると思います。
 こうしてミュージカルに触れて、ドラマだけ、舞台だけ、映画だけとこだわるのはもったいないと改めて感じました。歌だって最初は「本当にやるのか⁉︎」という気持ちだったのに、身につけられれば仕事の幅が広がると感じています。それは歌同様に初挑戦だったダンスも同じです。ただし自信を持って「出来ます、得意です」と言えるまでになるには、地獄のようなレッスンが待っているでしょうね。

村上貴亮さん(大橋健斗役)
 テレビのドラマに出演は今回が初めてです。連ドラはこんなに長い時間、ひとつの作品に向き合えるものだと知りました。とにかく刺激的でした。
 劇団に所属したことはないですが、音楽大学のミュージカル科出身で、どこか劇団に似た雰囲気がありました。慣れ親しんだ世界なので、そういう意味でも連ドラ第1作が「いつかこの雨がやむ日まで」で良かったです。
 ドラマで演技をするのも、めちゃくちゃ楽しかったです。経験がないなりに、“演じる”ではなく、役の人物として“生きる”ことができるよう心がけました。もちろんそれは簡単なことではなく、自分が実際に経験したことがないシーンでは、「ここで、こういう表情で、このセリフを言うのはどういう気持ちなのだろう?」と考えたり、悩んだり。役として生きたい、なんて格好つけましたけど、実際は健斗をかなり自分に近づけました。自分の人生をバックボーンにして。ホント、まだまだですよね。
 俳優業をスタートさせたばかりですが、いまはアスリートや医者など、演じる上で専門知識を要求される役に興味があります。そのつど、専門知識を学べるのがいいですね。何事に対しても、調べたり学んだりする過程が好きなんです。マニアックな職業の役だったら、きっと情報もコアなはず。下調べも楽しいでしょうね。“専門職”という意味ではこのドラマも同じで、ミュージカル俳優なんてそうそう演じられないですよね。
 ゆくゆくは世界に挑戦したいです。ハリウッドだけでなく、できればヨーロッパ、フランスで役者をやりたくて。フランスは演技を芸術と捉えていて、役者も芸術家としてバックアップしてくれています。そのスタンスが素敵だな、と憧れているんです。
 もっと身近な目標は…。あ、俺、歌をやりたいです! 歌声にちょっとは自信があるので、皆さんに俺の歌を聴いてほしい。俺の歌を必要と思ってもらえるような活動ができたら、サイコーですね。

立野沙紀さん(吉岡菜穂役)
 私自身も秋元康さんプロデュースの「劇団4ドル50セント」に所属しているので、最初から菜緒に親近感がありました。菜緒は、「いつかは主役を」という野心のあるキャラクター。私もそういう気持ちでいることが大事と思っています。自分と重なる部分があったし、自分のこれまでの活動を参考に役作りをしました。
 ドラマがドロドロとした展開の中、劇団の場面は人の持つ温かさが伝わると思います。みんなでわちゃわちゃ話をしているところは、結構アドリブ芝居です。そこにキャスト皆さんの素の部分、人柄が出ていて、おもしろいんじゃないかと思います。
 そもそも私が人見知りなので、クランクインした当初は緊張していました。でもすぐ打ち解けられたんです。(皆川洋司役の)板倉チヒロさんがムードメーカーとなってその場を盛り上げてくださり、劇団員役の皆さんも元気で明るい人ばかり。皆さんとワイワイしている時間がとても楽しかったです。
 新鮮だったのが、実際の劇団で私は女性メンバー最年長なので、どうしてもお姉さんポジションになってしまいます。でも「ウミヘビ」は年上の方ばかり。普段の反動か、皆さんに甘えまくってました(笑)。相談にもいろいろ乗っていただき、ありがたかったです。
「劇団ウミヘビ」ですごいと思うのは、次々大変なことが起きているのにみんなが劇団を解散しようとしないところ、演技をやめようとしないところです。私も諦めない気持ち、ハングリーさを持ちたいと思います。私だって女優を続ける以上、もっと注目されたいですし、もっと大きな役を演じたいです。ただ、そう願いっていても実現するはずがないので、劇団でさらに貪欲にお芝居の勉強をしていきます。ドラマの中でお芝居のレッスンをしている場面を撮っていると、立野沙紀としても気持ちが高揚して、「私、演じることが好きなんだ」って改めて実感していました。
 舞台でも、ドラマでもいろんなジャンルの作品に挑戦していきたいです。その中で特に出たいのが学園もの。いま、24歳なのでギリギリ制服を着ても許されるんじゃないか、と勝手に思っています(笑)。所属する劇団でも学園ものを上演することがありますが、学生役は当然10代メンバーが選ばれます。もう1回くらい、チャンスがあれば、と願っているんですけど(笑)。

柳橋さやかさん(毛利かずさ役)
 連ドラへのレギュラー出演は今回が初めてです。とても勉強になりました! もともと私はこの作品のミュージカルシーンの振り付け・演出を担当している林希さんのアシスタントをしていて、スタッフとして参加したんです。さらに劇団員役に歌って踊れるぽっちゃりさんを探しているとのことで、お声がかかりました(笑)。ミュージカル要素のある連ドラなんて、そうないこと。何だか縁を感じています。
「劇団ウミヘビ」のメンバーは個性がバラバラ。撮影が進み、かずさは途中からいつもお菓子を食べている、という役設定が出来まして。かずさが映るときはいつなんどきもお菓子を片手に(笑)。途中でこんな風に役が膨らむのも面白かったですし、出来るなら最初からお菓子大好きキャラでいたかった! いつでも何かしらパクパク食べていたら、ドラマのアクセントになれたのに、とちょっと残念に思っています。
 私は和歌山在中で、舞台、それもミュージカルをメインに活動しています。個人的にはコメディっぽい作品が好きで、参加している、林さんがリーダーを務める「junkie sista」というユニットでも、おもしろおかしい作品を上演しています。「劇団ウミヘビ」は天竺さんの醸し出す雰囲気もあるのでしょうか。かなり“濃い”ですよね、演目も王道で、“THE 演劇”っていう感じ。天竺を演じていらした吹越満さんの演技が素晴らしく、劇団員メンバーは「天竺さんについて行きたい」という気持ちで繋がっていました。ドラマの話なのに、みんなが強く結びついたのも得難い経験でした。
 私が普段出演しているのは、明るく楽しいダンスコメディミュージカルです。そういうテイストの作品の良さを皆さんに知ってもらいたいですし、一方で「レ・ミゼラブル」のような古典的な作品には、古典ならではの魅力がつまっています。ミュージカルの楽しみって幅広いので、「いつかこの雨がやむ日まで」でミュージカルに興味を持たれたら、ジャンルにこだわることなく、気になる作品を鑑賞してください。少しでもミュージカルを身近に感じてもらえたらうれしいです。

平岡由香さん(戸塚怜役)
 私はアーティスト活動に加え、歌唱指導もしています。今回は以前からの知り合い、林希さんから劇中の歌唱指導に加え、演技の出来る人を探していると声をかけられ、ドラマ出演は初めてですが、参加することになりました。
 子供の頃から劇団に所属していたので、「劇団ってこういうところだよね」というのは体に染み付いています。他の劇団員メンバーも舞台経験豊富な人たちばかりなので、すぐ打ち解けられました。偶然ですが、劇団員メンバーの立野沙紀ちゃんに歌唱指導したことがあったり、いま教えている生徒と村上貴亮くんが知り合いだったり。それに柳橋さやかさんとも10年ぐらい前かな? 一度飲んだことがあるんです。なんだか知り合いが多くておもしろかったですし、「劇団ウミヘビ」はカメラが回っていないところでは良き仲間。撮影が終わり、これまでのように頻繁に会えなくなると思うと、それだけで寂しいです。
 役としては、劇団員たちの中でフラットにいることを意識しました。他のメンバーが、「芽衣ちゃん、芽衣ちゃん」と慕う一方、私が演じた怜は皆に歌唱指導をしているポジション。そのため、劇団のことを俯瞰で見ているのかな、と思ったんです。
 私は「女優です」と言えるほどのキャリアはありません。でもこうしてドラマを経験して、機会あればまたぜひ挑戦したいと思っています。撮影のスケジュール上、同じ話数のシーンを撮れないときもあり、シーンごとに感情を切り替える必要もありました。だから自分の中で、「前の場面はこんな気持ちだったから、ここでは…」と考える作業が必要。それがまず興味深かったです。
 この現場ではもう一つ感謝していることがあります。それは渡辺麻友ちゃんの歌声。私が歌唱指導したとはいえ、彼女の歌に教えられることがたくさんありました。まゆちゃんの歌ってとってもまっすぐ。ストレートだから、歌を通してひかりの気持ちが伝わってくるんです。私の提案にもすぐ応えてくれて、その歌声に鳥肌が立ちました。お芝居にも演技にも真摯で真面目。ぜひまた、共演したいです。
 ミュージカルは私にとっては身近な存在なものの、距離のある方もまだまだ多いはず。でもこんな風にドラマで取り上げてもらい、映画を楽しむ感覚で劇場に来ていただけたらうれしいですね。映像メインの方が舞台に、舞台メインの方が映像に、という交流がより盛んになれば、エンターテインメント界全体の盛り上がりにつながると思うので、その一端を担っていけたら幸いです。

劇団「ウミヘビ」の劇団員たちのオフショットを公式インスタグラムで配信中!ぜひこちらもチェックしてみてください!