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渡辺麻友「狂気…迷い考えながら演じた」

愛と狂気のラブサスペンスドラマ『いつかこの雨がやむ日まで』が、ついに最終回を迎えます。第7話では、ひかり(渡辺麻友さん)を狂気に目覚めさせた天竺(吹越満さん)が自ら命を絶つという衝撃的な場面で終わりました。舞台「ロミオとジュリエット」はどうなるのか? 天竺の死は、15年前の麻美(三倉茉奈さん)殺人事件と関わりがあるのか? 謎と波乱に包まれたまま突入する最終回、見どころを渡辺麻友さんに聞きました。

――ひかりとして生きたこの2カ月間は、どんな期間でしたか?
重たいテーマと役柄なので、ここまで気持ちを追い詰められたのは初めてです。正直、しんどいときもありました。だからこそ、こうしてひかりを演じられたのかな、と思います。

――ひかりは物語が進むにつれ“演技”そのものに魅せられ、自身も狂気が芽生えました。
そんなひかりを演じて、何か感想はありますか?
狂気に達するまでの感情…、迷いながら、考えながら演じた、という感じです。いまの私にできる精一杯の表現で、自分としては「まだまだ」という反省点ばかり残っています。ひかりを演じて思うところ、心に響くところがたくさんあって、後半部分のひかりの心情も、その中のひとつで勉強になりました。

――撮影に入る前、ひかりを演じることで、女優として殻をやぶりたい、とおっしゃっていました。実感はありますか?
大きくはありませんが、いままで取り組んできたドラマとは違う感覚があったので、多少はやぶれたというか、一歩前に進めた気はしています。きっとこれまでの作品では必要以上に力みすぎていたと思うんです。今回は精神的にもしんどい役だからこそ、いい意味で力を抜くことを意識しました。こういうことを考えられるようになったのも、演じることについて一歩前進できたかな、と思っています。

――最終回の見どころを教えてください。
最終回にも怒涛の展開が待っています。最後の最後までどうなるか予想がつきません。ラストシーンのひかりの姿を見て、視聴者の皆さんが“生きる希望”を感じてくださったらうれしいです。

――結末はまさに“衝撃”の一言だと思います。
私は、ひかりだからこその第一歩の踏み出し方だと思いました。どこか、ひかりの人生を象徴しているような。この経験がひかりに何を与えるのか考えましたし、これからのひかりを演じてみたいと思いました。それくらい気になるラストになっているので、ぜひご覧いただきたいです。

幼馴染のひかりそして恋人・沙耶(筧美和子さん)と、2人の女性の狂気に翻弄され続けた和也役の堀井新太さんにも、最終回のみどころなどを伺いました。

ひかりと和也は再会した当初、わだかまりがあったので、どうやって絆が復活するのかと思っていたんです。離れ離れだったふたりが困難を乗り越えて、距離を縮めていく感じは演じていても良かったと思ったり、歯がゆく思ったり。最終回になっても、ふたりには問題が山積みですよね。それでも、心と心で繋がっている感じがいいなって思います。切な過ぎですけど(笑)。

――ひかりのことに加え、家族や沙耶のことで多くの悩みを抱えていました。ずっと苦悩している役を演じての感想は?
疲れますね。毎晩、寝汗をかく、みたいな(笑)。でも、ここ1年ほど時代劇に集中していて、気持ち的には現代劇もやりたかったんです。テイストは違えど、ともに重い作風でしたが、現代劇と大河ドラマ、ふたつの現場があることで、かえってそれぞれの役を冷静に見ることが出来ました。時代が異なるふたつの作品を一緒にやることで、良い相乗効果が生まれたと思います。

――最終回の見どころを教えてください。
僕も台本を読み、「え、どういうこと⁉」とびっくりしました。きっと、見る方によっていろんな捉え方のできるラストだと思います。でも見終わったとき、鳥肌が立つと思います。それくらい、心をかきたてられるエンディングですし、そうなるよう演じたいです。僕はこの作品は、15年前の事件の犯人探しがメインでなく、「人にとって愛とは何か?」ということを問うているのだと思っています。和也がひかりに向ける愛により、彼女にどんな変化が起こるのか。最後まで見守っていただきたいです。