■サルにハリネズミ、ヘビやトカゲも
エキゾチックアニマルとは犬や猫“以外”のペット総称のことで、今飼っている人が急増しているといいます。
エキゾチックアニマルのペット用品の出荷額は、2010年のおよそ76億円から2017年には120億円にまで増加しています。
しかし可愛いだけではなく、飼い方に注意も必要とのこと…。一体どんな特徴があるのでしょうか。
エキゾチックアニマルの専門店に行ってみると…まるで動物園のような光景が!
かわいいハリネズミから、ちょっとドキッとするヘビやトカゲなど爬虫類まで、およそ700種類のエキゾチックアニマルが販売されています。
特に珍しい動物がコモンマーモセット。ブラジルの熱帯雨林などに生息する小型のサルで、体長およそ15cm。その小ささから「ポケットモンキー」とも呼ばれています。
さらに、毛がほとんど生えていないモルモット。通称「スキニーギニアピッグ」も。ピッグといっても豚ではなく、品種改良によって体の毛が生えなくなったモルモットなのです。
■散歩に行くとすぐ人だかりが…
実際にエキゾチックアニマルを飼っている方を取材すると…。
Q.こちらは何の動物ですか?
飼い主の五藤さん:
「ミーアキャットです」
五藤さんのペットは、立ち上がって辺りを見渡す仕草が有名な「ミーアキャット」。こんな珍しい動物もペットとして飼うことができるとは驚きです。
散歩にでると、すぐに人に囲まれてしまうそうで…。
子どもたち:
「アライグマ?」
「カワウソ?」
五藤さん:
「ミーアキャットだよ」
子どもたちも見たことない動物に興味津々!さらに別の動物も飼っていると聞き、ご自宅にお邪魔しました。
■獣医師「人間の環境に順応するのが難しい」
毛布の中に隠れていたのは…、ショウガラゴというサルです。
夜行性のサル「ショウガラゴ」。木の上で睡眠をとる習性があり、ハンモックを吊り下げた背の高いオリに入れて飼っているそうです。
五藤さん:
「(性格は)穏やかです。見た目が可愛いところとか、ご飯食べるとき、両手でもって食べたりすごくかわいい」
エキゾチックアニマルとの楽しい生活。しかし、飼い方に注意も必要とのことで…。
コスモス動物病院 浅井院長:
「エキゾチックアニマルの多くは、野生の状態からすぐ連れてきたのとほとんど変わらない。つまり人間の環境にすぐに順応するのがもともと難しいんです」
犬や猫と違って人間と暮らしてきた歴史が浅いため、人の生活環境になじみにくいところがあるんだそうです。
例えば、ヤギを飼っている山本さんに伺うと…。
Q.ヤギは、なつくものなんですか?
飼い主の山本さん:
「なつきます。人間の顔も覚えます」
人になつくこともあるという可愛いヤギですが、山本さんが1頭を残して他のヤギたちを連れて行こうとすると、1頭が「メェェ メェェ」と鳴き出し……
残されたヤギ:
「メェェ メエェェエエエェエエエェエエエ!」
最後は大声に!
ヤギには集団で行動する習性があり、1頭になると仲間を呼び続けるのです。そのため飼う際は、常に2頭以上で行動するなどの気遣いが必要だそうです。
さらにリスの場合は、比較的メジャーなペットですが、診察中にケージから脱走!
犬や猫のようにしつけるのが困難なため、一度出てしまうとケージに戻すのも一苦労です。
さらに、リスは餌のとりにくい秋や冬になると気が荒くなる性質があり、飼い主に噛み付くこともあるのだそうで、こちらも注意が必要です。
■エサの基本は『生きたまま』
ちなみに、五藤さんのお宅で飼われているショウガラゴも…。
五藤さん:
「エサをあげてみますか」
かわいいおサルさんのエサ、これは…。
五藤さん:
「生きたコオロギです」
なんと生きたままのコオロギ!エキゾチックアニマルのエサは『生きたまま』が基本。
犬や猫のようにペットフードを買って…とはいかないので、これも飼う前に理解しておくことが必要です。
苦労する点も多々ありますが、大変な部分も含めて可愛いというのが飼い主さんたちの共通の意見のようです。
五藤さん:
「本当子どもと同じくらいかわいいですね。毎日お世話しているので、人間と同じような感覚で本当に(家族の)一員ですね」
また、エキゾチックアニマルを飼う際の注意点としては、診察できる獣医師がまだ少なく、地域によっては診察が難しいところがあるということ。
それに、野生に近い状態を保つため、温度管理など『環境』をしっかりと整える必要があります。
可愛いと思う気持ちはもちろんですが、飼う際には最期まで面倒を見るという意志や心構えが必要だと言えそうです。