大阪で警察官が襲撃され拳銃が奪われた事件は、全国で対策が進められているさなかに起きてしまいました。
東海地方でも2000年以降3件の拳銃強奪事件が起きています。
2005年5月、岐阜県多治見市で職務質問しようとした男性巡査(当時23)がブラジル人の兄弟に襲われ実弾3発が入った拳銃を奪われました。
拳銃は事件の2日後に奈良県内の郵便ポストに実弾とともに入れられているのを発見。兄弟はおよそ20日間逃走した末、逮捕されました。
そして、2014年5月には愛知県知立市でブラジル人の男が男性巡査部長(当時51)から拳銃を奪い、2発発砲して、巡査部長は腕にケガをしました。
そして去年4月にも、愛知県豊橋市で通報を受けて駆けつけた男性巡査長(当時29)が、男に体当たりされて、腰につけていた拳銃を一時的に奪われました。
去年も富山で交番が襲撃され、奪われた拳銃で警備員が射殺される事件もありました。
こうした事件を受けて、警察庁は今年3月から拳銃を奪われにくい新型のケース=ホルスターの導入を進めています。
従来のホルスターは腰のベルトに取り付け、伸縮型の吊り紐でつなぐ構造でした。
大阪の事件はこの吊り紐と拳銃をつなぐ金具が外され、奪われていました。
一方で、改良された新型ホルスターは、形状は具体的に明らかにされていませんが、従来よりも迅速に取り出しが可能となる一方で、『本人以外は抜き出しにくい構造』になっているということです。
このホルスターの東海地方の警察への導入状況、愛知県警はすでに4月下旬から導入されています。岐阜県警と三重県警については「導入状況は言えない」としています。
また、交番勤務の警察官に対して、東海地方でも各県警が注意を呼び掛け警戒を強めています。愛知・岐阜・三重3県警とも防刃ベストを着用するよう改めて徹底しました。
他にも交番で来訪者の対応をする際に複数で対応することや、相手の動静を注視し間合いを確保することなど指示を出しています。
侵入を防ぐため、交番のレイアウトの改善も進み、愛知県警南署の白水交番では、対応するカウンターの高さを従来の70センチからおよそ90センチに変更されています。