SPECIAL
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INTERVIEW2017.12.05 UPDATE
青山沙羅ほか6役 知英さん
- 本作で連ドラ初主演となり、1人7役という難役にも挑戦しています。いかがですか?
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私自身、『まだ準備できていないのにどうしよう』と思いながら、新たなお仕事に挑戦することがあって、でもそのときの勢いで臨んで、何とか乗り切ることがあります。今回は連ドラ初主演ということで、感謝する気持ちを大事にして、どの場面も全力で、本気でやっていこうと思いました。クランクインのとき、監督さんと『本当に終わりますかね?』なんて話をしたんですけど(笑)、何事も始まったら、終わりが来るんですよね。終わったときに達成感があるので、頑張れるんです。撮影は時間に制限がある中でやらなくてはいけないことも多く、『日が暮れる前に終わらせないと!』というときは、緊張しちゃいます。撮影が始まって1週間ほどで、すでに6役分を何かしら演じました。私は一人しかいないので、監督さんやスタッフの皆さんを信じて、一緒に作っていく感じです。
- 7人を演じる上で、難しい点は?
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7人の声のトーンをどう変えればいいんだろう?と考えることはあります。クローンとは言え、顔と遺伝子が同じなだけです。生活も違えば、それぞれの人生も違うわけで、クセから好きな食べ物まで、何から何まで全部違う7人の役を、一人ひとりキャラクターをちゃんと決めていかないといけないのが大変です。7人をしっかりと別人として成立させるのが一番の課題です。セリフも標準語だけでなく方言もありますし、英語や韓国語も。いろんな言語をしゃべらないといけないので、それもすごいプレッシャーです。
- セリフを覚えるのは大変ではないですか?
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そうなんですよ!台本を見たら全部自分なんです(笑)。現場で間違っても、皆さんが『大丈夫だよ』って言ってくださって、その言葉に救われています。
- 今回は知英さんにとって、まさに挑戦作だと思います。大変であればあるほど燃えるタイプですか? それともプレッシャーに感じるタイプですか?
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結構、燃えるタイプですね(笑)。いまは、『よし、やってやるぞ!』っていう感じの毎日です。
- 「オーファン・ブラック」は米・BBCで放送された作品のオフィシャルリメイク作でもあります。世界的な人気作のリメイクというのも、相当なプレッシャーがあるのでは?
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オリジナルが本当におもしろかったですし、主役のタチアナ・マスラニーさんも素晴らしい演技で、すごい役者さんだなって思いました。そもそも原作があるものって難しいじゃないですか。さらに映像作品のリメイクとなると。欧米の話を日本版、アジア版にするとき、原作ファンの方もどうアレンジするんだろう?って考えると思うんです。アジア版として、皆さんがちゃんと受け取ってくれるのか、放送が始まるまでずっと緊張していると思います。
- 知英さん主演の「オーファン・ブラック」の見どころは?
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1人7役っていうのはやっぱり、日本の連ドラではないことですよね。この作品はサスペンスですけどヒューマンドラマの部分もかなりあって、7人の女性の誰もが人生に悩みを抱えていながら、自分のクローンと出会ったことでどんどん成長していきます。特に主人公の沙羅は、人生が激変します。同じ顔というだけで、亡くなった真緒子に入れ替わってしまいますから。その一方で、彼女はシングルマザーでもあり、いろいろ葛藤していくので、複雑な状況に置かれる沙羅の変化、成長を楽しみにしていただきたいです。
- もし、知英さんと同じ顔の人がたくさんいたらどうしますか?
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1人でもいいからいてほしいですね。特に忙しいときは。この現場に私が2人いたら、どれだけいいか(笑)。知英A、知英Bがいて、『今日の現場はあなたが行って』と交互に撮影するんです。
- 実際、1人2役のときは、1人で2人の人物の気持ちを同時進行で演じるわけですが、挑戦してみての感想は?
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目の前に代役の方がいてお芝居をするとは言え、合成した自分とお芝居のタイミングを合わせるのは本当に大変なことです。良く考えれば、自分で一回お芝居をして、次に別の人物のお芝居をするだけだから、最初の自分の演技を全部覚えていて、そこに合わせればいいので、やりやすいと言えばやりやすいんですけど。『ここでさっき、こういう表情をしたな』とか『さっきこんなリアクションをしたから、この役ではこう返そう』とか、演じながら考えられるので。普通に共演者の方がいるときは、毎回同じお芝居といっても、微妙にリアクションが変わるんです。それは人間だから当然のこと。相手が自分ならそれはないと思えば、楽といえば楽。そう思うようにしています(笑)。
- 今後、1人3役。さらにそれ以上も…、なんてこともあるかもしれませんね。
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3役同時は本当に大変だと思います。1人2役だってセリフがたくさんなのに、3人になったら、セリフが膨大ですから。1人3役の撮影のことは、まだ考えないようにしています。
- 今回、番組ポスターを以前から知英さんと親交のあるレスリー・キーさんが撮影されています。ポスター撮影はいかがでした?
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レスリーは何回も一緒にお仕事をしていて、毎回、彼の写真はすごく格好良いんです。今回の撮影では、一人ひとりのキャラクターをレスリーが引き出してくれました。完成したポスターはやっぱりすごく素敵で格好良くて。自分の部屋にも飾っています。
- 知英さんがJY名義で担当する主題歌「MY ID」(12月20日発売)についてもお聞かせください。
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主題歌まで歌わせていただき本当にうれしいです。『MY ID』は英語の歌詞が多いんですけど、ドラマの内容に寄せて、自分のアイデンティティはどこにあるのか、自分は本当は誰なのか、自分の個性とは何なのか、ということを問いかけています。サスペンスタッチのドラマに合わせ、曲のテンポも速くて、とても格好良いナンバーに仕上がりました。ドラマと一緒に盛り上げていきたいですし、PVもドラマにリンクしているというか、二人の自分が出てくるんです。PVもぜひ見ていただきたいです。
- ところで、1月18日はお誕生日だとか。
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主演ドラマが放送されているときにまた一つ年が増え、今度で24歳になります。私は毎年、何か一つでいいので出来ることを増やしていきたくて、『オーファン・ブラック』は、自分をより成長させてくれる作品になると思っています。今回、役者として大変な目に遭っていると思うときも正直あります(笑)。でも、楽しみのほうが大きいですし、1人7役なんて、そうそうできないことですよね。この現場で一つひとつ大変なことをどう乗り切るのかに今後の役者人生がかかっていると思うので、最後まで命がけで頑張ります。