神奈川県の湘南で暮らす主婦の香織（榊原郁恵）、智恵子（池上季実子）、和子（宮崎美子）はちょうど60歳。３人とも高齢者・お年寄り扱いされる出来事に遭遇し、自分がそういう年齢になったことを突き付けられる。
もともと友人だった香織と智恵子が通うヨガ教室に、東京から引っ越してきた和子がやって来る。３人はすぐに打ち解け、香織の提案で、それぞれの夫を交え、和子の歓迎会を開くことに。香織の夫・伊佐山晃司（宅麻伸）はしっかり者の弁護士、智恵子の夫・速水純一（春田純一）は輸入家具屋のオーナーで趣味人、和子の夫・岩村吾郎（中本賢）は何事も計画通りきっちりしたい食品会社の課長と、まったく違う職種で性格もバラバラだった。和子の歓迎会で３組の夫婦は楽しいひとときを過ごすが、実はどの夫婦も新たな人生の局面に立っていることに、このときはまだ気付かずにいた。
香織は、まもなく始まる台所のリフォームをあれこれ考えることが何よりも楽しい。築70年以上の家の台所は使い勝手が悪く、新しく使いやすいデザインにしたいと、建築家の森山（谷田歩）にいろいろ相談するが、森山は愛想が悪くて…。
その頃、晃司は事務所で新たなクライアントの美咲（ちすん）と打合せをしていた。美咲が学生時代の恋人にそっくりで驚いていると、美咲は晃司と母が昔、恋人同士だったことを知っていると告げる。
智恵子と純一夫婦のもとに、純一の母が亡くなったとの連絡が入る。落ち込む純一を励まそうと伊佐山・岩村夫婦は“励ます会”を開くことに。しかし、親の老後はお金で面倒を見ればいいという吾郎に純一は…。
そんな中、和子に離婚の計画のことを聞かされ、香織と智恵子は大いに驚く。還暦と呼ばれる年齢でそこまでの決断はできないと言う香織に対し、智恵子は和子にある程度の理解を示す。さらに智恵子は冗談めかして香織がある日、突然誰かと恋に落ちる可能性もあると言うのだった。
建築家の森山が台所のリフォームプランを持って香織を訪ねてくる。森山の提示したプランを見て、顔を曇らせる香織。あまりにリクエストと違っていたのだ。森山は良質の材料を使っている今の台所を大切にすべきだと力説。森山と意見の合わない香織は、プランを突き返すが…。
和子が智恵子たち夫婦の経営する家具屋にやって来る。和子は智恵子を見つけるや、「恋の仕方を教えてください」と言い出して…。
