2008.11.20(木)

- ――自ら命を絶った亮太。この決断を演じ手として、龍弥さんはどう受け止めたのだろう。
- 「自殺のシーンを撮っていたときはスタジオ全体がどんよりした空気が漂っていたし、やっていても気持ちの良いものじゃなかったですよ。自殺するってことは、死ぬ覚悟がなきゃ出来ないじゃないですか。そういう心境になれるか、撮影前はすごく不安でした。でも、いとうさんを始め皆さんと芝居をしていくうち、『こういうやり取りを家族としていく中で、亮太は死ぬ覚悟を決めたんだな』と思えたんです。だから監督と相談して、笑顔で死ぬことにしたんです」
- ――2部の亮太は、姉と慕った珠希を憎んでいるところから始まり、そんな気持ちを自分でもコントロールできなくて暴走。さらに珠希と和解後も白血病が再発と、あまりに目まぐるしく、あまりに残酷な運命をたどった。
- 「子供時代の亮太の姉さんを慕う気持ちを知り過ぎてしまうと、第2部の最初のところを演じられない気がして、 第1週、第2週の台本は軽く読んだだけで撮影に入りました。“珠希が憎い”と思えていたので、2人のシーンはつかみかかってやろうか、というくらいの気持ちはありましたよ。それで第7週で暴れに暴れましたけど(笑)、シーンの繋がりとかは考えませんでした。台本を読んで、湧いてくる気持ちをドンッドンッとぶつけるだけで。人間っていつでも同じ気持ちでいられるわけがなく、僕もその日によってコンディションが違うから、台本を読んでいても亮太の行動に対する捉え方もテンションンの上がり方も違ったんです。でも、荒れ方が一定でなく浮き沈みがあるほうが人間らしさ、亮太らしさに繋がる気がしたんですよ」
- ――そこから珠希をなぜ憎むようになったのか、彼女に告白する場面へと。
- 「台本をもらったとき、そこまでの紆余曲折はこの場面を演じるためだと分り、頑張ってここにピークを持ってくるようにしよう、と思いました。亮太を演じるにあたり、最大の山場がこの場面で、正直撮り終えた後は気が抜けてしまいました。もちろんその後にも撮影は続いていたので、緊張感を持って演じなきゃダメだと分っていましたけど。さっきもいしのさんとの撮影で、いしのさんの目を見て演技をしていたら、また気持ちをグッと入れられることが出来たんです。『僕は共演者の皆さんに助けてもらってばかりだな』と反省しましたね」
- ――現場では常に、熱心に演技と向き合っていた龍弥さん。得がたい出会いや、経験も多くあったとか。
- 「根岸さんは亮太にとって大切な場面、大変な場面がある日は朝から応援メールをくれたんです。『自信を持って演じろ』の言葉にどれだけ勇気付けられたか。あと、うじきさんとの場面で、いきなり殴られたことがあったんです。台本を読んだ時点で『多分殴られるだろうな』とは思ったんですけど、うじきさんはものすごい本気で(笑)。でも殴られた瞬間、一気に血が沸きあがったんですよね。魂でセリフを言ってるような感覚で、あそこまでセリフに魂を込められたのは初めてでした。撮り終えてから『痛かった〜』ってついつぶやいたら、うじきさんが『芝居ってこういうものだろ』とおっしゃったんです。家に帰っても芝居のおもしろさが頭から離れなくて、興奮したせいか眠れませんでした」
- ――龍弥さんは11/27より舞台「猫目倶楽部」に出演。このインタビューは舞台の稽古に入る前に行われたが、『愛讐のロメラ』での経験がどう活かせるのか、とても楽しみだと語っている。
- 「これまでも舞台に出たことはありましたが、自分が観客席からどう見えているのか、今までそんなにつかめてなかったと思うんです。でもこの現場を経験したおかげで、今自分がどんな表情をしているのか想像出来るようになったんです。そうなると、演じていても感じ方も見え方も違うだろうから、亮太を演じた3ヵ月が自分をどう変えたのか、今度の舞台で確かめたいですね」
- ――第2部、思う存分に亮太を演じ、龍弥さんは俳優として次の一歩を踏み出した。
- 「スタジオに泊まって、相葉さんと2人で真夜中にセットでリハーサルしたこともありましたが、叶うならセットで寝起きしたかったんです。それくらいのことをしないと役に成りきれない気がして。そこまでは出来ませんでしたが、いろんな場面があった中、人間追い込まれるとやれるものだな、というのが今の実感です。僕なりにですけど、亮太として生きられた、という気持ちもあります。もちろん完成度は別ですよ。でもこれからも、演技はまだまだ未熟ですが自分を信じ、自信を持って演じるよう努力したいと思います。気持ちが揺れていると、それもすべて演技に出てしまうことが今回分りましたから」
