インタビュー

11/5更新 田中美奈子さん 浅倉智子役

田中美奈子さん(浅倉智子役)

――この作品で連ドラ主演を9年ぶりに務める田中さん。この枠への出演は「新・風のロンド」('06)以来であり、主演は初めてのこととなる。
 「結婚と出産を経験して今回主演をさせていただいていますが、そもそもこの枠の大変さは分かっているので(笑)。それに独身時代のやり方では通用しないので、改めて仕事への取り組み方を模索しているところです。出産後初の主演作がお昼のドラマということは自分でもすごいと思いますが、今回は自分なりに環境を整え、撮影に臨みました。
 以前は時間も仕事のためにフルに使えていたわけですが、今は子供のことがとても大切だし、どうやって演技と向き合う時間を捻出するのか。いろんなことが見事に重なって本当に大変ですけど、いろいろな感情が湧き上がってくるし、ドラマに対して、また智子という役に対しての想いはとても深く重いです。」
――では智子とどう向き合っているのか。
 「実は今回、すごく悩みながら撮影に入ったんです。智子というキャラクターがとても難しくて。今も悩んで、悩んで、演じてますけど、多分、最後まで悩んで終わるのかな、という気がしています。なかなか役をつかめない上、昼ドラって“セット押し”、要はそのセットでの場面を話数に関係なく撮影していくので、気持ちの繋がりを作っていくのも大変ですね。」

――具体的に智子を演じる大変さとは?
 「何不自由ない良いところのお嬢さんで、働いたのもほんの少し。それも父親の紹介で入った会社で、仕事を通して知り合った達彦と結婚したわけですが、智子は男性を彼しか知らないんです。子供の頃から結婚するまでは両親が先に先に回って智子のことを守り、結婚後も専業主婦として夫のことと子供のことだけ見ていれば良かったわけで。しかもマイホームまで建ててもらい、あまりに世間知らず過ぎるんですよね。だから成長でできてないのかな…。そうなると燿子や奈津みたいにいろんな人生経験をしてきた人には敵わないですよね。
 智子はのちのち、何か大変なことが起きると『ゲームみたいにリセットすればいい』とよく言うんです。私の中にそういう感覚がないので、難しいな、となるんだと思います。」

――田中さん自身が窮地に立たされたとき、どう対処するのだろう。
 「一度は落ち込みますよ。そこからどう立て直すかが大切じゃないですか。まあ、立ち直りは早いほうだと思うし、辛いことから逃げはしないですね。智子って、要は“くさい物にはふたをしろ”的な対処をしようとするけれど、見えているのに見えてないフリをするなんて、まさに偽りの人生ですよね。それでノホホンとしているところもあって…。智子の言動って見方を変えれば純粋だったり、人を信じる強さがあったりして、それは悪いことではないと思うんです。智子の人となりを考えたとき、いろんなキーワードが挙げられますが、そこに共通点がなくて。こうした役を演じるのは初めてかもしれないです。」
――田中さんの発言は智子を演じることに対し不安が大きいように聞こえるが、実はそうではない、と。
 「私自身がいろんなことを考え、悩みながら智子と向き合っていますが、智子も次々といろいろな問題が身に降りかかり、窮地に立たされます。立場は違えど、私と智子ってもしかしたら同じ状況かも、と思っているんです。最後まで智子を追いかけて演じることにんなりそうですが、これはこれで“あり”だし、『幸せの時間』という作品が、また智子という役が私を成長させてくれるのは間違いのないことだと思います。」

――主婦として、また二人のお子さんの母親として忙しい日々を送っている田中さん。なぜ今、女優としても厳しい挑戦をすることにしたのだろう。
 「智子を見ていても分かりますが、恵まれた環境でぬるま湯に浸かっているような暮らしをしていたら、人って成長できませんよね。『このままでいいや』と上を目指さなければ何も変わらないし、もし今の自分を越えたいなら、人生のステージを一つ登りたいなら、逆境に身を置かなければいけないんです。
 今回のドラマ出演に関しても、すべてを受け止める覚悟が出来ています。智子も面倒なことから目をそらして生きていますが、それじゃダメだということが早く分かればいいんですけど…。もし信じていたものが音を立てて崩れたとしても、また築き上げていけばいい、といことに早く気づいて欲しいですね。」
――試練続きの智子。その波乱の日々は始まったばかりだ。
 「原作のある作品ですが、結末がオリジナル通りか分からないですよ。視聴者の皆さんの予想を裏切り続けるのがこの枠の作品の常ですから(笑)」

――ところで夫の達彦を演じる西村さんとはこれまでにも何度も共演してきた旧知の仲だとか。夫婦役を演じての感想は?
 「最初に達彦を演じるのがニッシーだと聞き、安心しました。彼は学生時代、自主映画の演出をしたこともあるそうなので、作品全体のことを分かってくれる人がそばにいてくれることは本当に心強いです。ニッシーはその場面、その場面でどれくらいの力で演じればいいのか分かっている人。それは手を抜くという意味ではもちろんなく、その場面で求められる“加減”というものをちゃんと分かっている、ということです。気心も知れているし、何の不安もなく身を任せられます。実は私たち、子供の数も年齢も一緒なんです。だからこのドラマも子育ても力を合わせて頑張ろう、と励まし合っています。」
――力強い援軍を得て、智子を演じている田中さん。最後にドラマの見どころを。
 「主婦の方はもちろん、この作品は男性の方にも楽しんでいただけると思います。主婦の方はリアルタイムで、ご主人は深夜、奥様に録画しておいてもらったものを一人でこっそりご覧ください(笑)。そこで『達彦、頑張れ!』でもいいし、『達彦の気持ち分かるかも…』でもいいし、きっと感じるものがあると思います。男女問わず、家族とは何か考えながら、智子がどんな道を歩んでいくのかを見守っていただきたいです。」

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