インタビュー

11/12 更新 西村和彦さん 浅倉達彦役

西村和彦さん(浅倉達彦役)

――達彦は女性、それも結婚している女性にとって許せない存在なのか。逆に、男性にとっての理想像なのか。西村さんはどう捉えているのだろう。
 「達彦は辛い状況や厳しい立場に置かれることも多く、現場で男性スタッフが僕を慰めてくれるんです。『西村さん、男ってこういう生き物ですよね』と(笑)。女性の皆さんはこういう男の生き方を分かってくれないでしょうね、まったく。もし女性視聴者の皆さんに達彦が嫌われたとしたら、この作品の中で彼がちゃんと生きている、ということだと僕は思っているんですけど。女性に嫌われれば嫌われるほど、男の真髄を演じられているんだろうし、どうせなら女性の皆さんにじゃんじゃん非難されたいな、と(笑)」
――仕事ができて順調に出世をする一方、家庭がありながら浮気を繰り返してきた達彦。彼は“大人”なのか。
 「ある面では大人かもしれないし、ある面ではそうでないかもしれない。成長はしてますけど、遅々としてます。達彦の場合、年齢的にキツイものがあると思いますね。自分の信念に従い、『こうすべき』と自信を持ち、アクセルを踏み続けここまでやってきたと思うんです。そういう男が、それも40代半ばで生き方を変更するなんて並みはずれた努力が必要だし、並大抵のことではできないんじゃないですか。第1週の達彦は仕事をバリバリして家族を養い、7千万円もする家を買って、『これ以上何が不満なんだ』と思っています。だから浮気しても『何が悪いんだ』という感覚なんですよ。そんな男の姿を今回は(脚本家の)いずみ玲さんがとても上手に描いているんです。見応えがありますよ」

――達彦の浮気をきっかけに浅倉家は次々と問題が起きるが、もしこの経験がなかったら?
 「家庭としてはうまくいってたかもしれないですね。もともと智子は、達彦のグイグイ引っ張ってくれるところに惹かれて結婚したんだろうし、二人の間に“幸せの時間”も確かにあったはずですから。
 僕は男女の繋がりは希薄だと思っているんです。危なっかしいけれど、どうにか繋がっているのが男女だと。それなのに男は安心を求めてしまうんです。だから女性との間にズレが生じるんですよ。人間、切れるかどうか分からない状態で綱渡りをしていたら集中するでしょ。本当はそんな綱渡りをしているはずなのに、結婚をすると男は大きな橋を渡っていると錯覚してしまうんです。男は家庭に安らぎとか安心とかを求めますからね」
――本作では西村さんの言った通り、男女の何とも危うい繋がりが緊張感を持って描かれていく。
 「第1週のVTRを観て、非常にクオリティーの高い作品に仕上がっていたので安心しました。過激な場面もありますが、僕から言わせれば想定内かな、と(笑)。今回は“中だるみ”というものが一切ないです。こんなに展開の早いホームドラマ、そうそうないですよ。
 ドラマが始まってすぐ達彦が燿子と関係を持ってしまい、早々に智子に知れて(笑)。『こんなにおいしいネタ、もうバラしちゃう!?』っていうぐらい。もう乞うご期待ですよ。ワクワクと恐怖感で一杯ですから。この枠の作品に出演するのもこれで3作目になりますが、昼のドラマってジェットコースターに乗るようなものだと思っているんです。中でもこのドラマは超最新型ジェットコースターですね(笑)」

――そうなると男性には身につまされることも多い作品だけに、振り落とされそうになることは?
 「そこはしがみつくんですよ(笑)。僕はこの作品を男性の皆さんにぜひ観ていただきたくて、達彦がガラガラと崩れて行く様から何か感じていただけると思うんです。達彦のみじめさ、辛さは分かってもらえるはずですし。
 実は女性って1日2万語を話す生き物と言われているそうです。2万語ですよ。専業主婦でまだ子供が小さかったとしたら、コミュニケーションを取れる相手なんて本当に限られますよね。だから旦那が帰ってきたら『ねえ、ねえ聞いて』になるわけですよ。そこで『もう疲れているから寝かせてくれ』って言うことが多いでしょうが、これが一番いけない。この作品を観て、世の男性に結婚していてもコミュニケーションの大切さを実感して欲しいですね。懸命に仕事をして、家に帰り妻を義理で抱けばいいのか。ぜひ考えて欲しいと思います」

――話を聞くと、達彦は家庭を顧みないひどい男のようにも思える。また達彦の暮らしに何の危機感もない智子や、達彦の浮気相手・燿子も含め、この作品では誰が“悪者”なのだろう。
 「この作品では誰もが悪人であり、善人でもあります。僕からすると燿子も “ピュア”なだけで。自分に対してピュアなんですよ。僕は自分に嘘がつけない人、自分の感情に対して素直な人がピュアだと思っていて、燿子はまさにそんなタイプ。後で周りの人が傷つくことを分かっていて、後悔するかもしれないけれど、その瞬間、瞬間、自分がしたいことに正直なだけで」
――登場人物たちの生き様から考えさせられることが多くなりそうな本作。
 「だからこそ、視聴者の皆さんには良介と奈津の若い恋人たちの場面もぜひ観て欲しいですね。二人の恋愛模様は本当にホッとしますから。ただ、そこからいろんな問題が起きるのがこのドラマらしいところですけど(笑)。年配の方は若い二人を見て、『こういうこともあったな』と自分の過去を見つめ直すことも出来るし、今の若者と向き合う良い機会になると思いますよ」

――ところで智子を演じる田中美奈子さんとは20代の頃からの知り合い。何作も共演してきたが、夫婦役は初めてだとか。
 「これまで恋人役もありませんでしたが、気も合うし相性はいいと思います。田中さんってざっくばらんに見えて、実はすごく繊細。両方を持ち合わせている女性で、僕にはその二つの面を見せてくれていると思っています。努力家で頑張っているところを垣間見ると応援したくなりますよね。偶然にも僕たちはともに子供が二人いて、それに両方同じ年だから子供のものを買いに行く時もメールしてます。『今日、○○が安いけどいる?』みたいな(笑)。演技の面でもプライベートの面でも最後まで助け合い、この作品を作り上げていきたいと思います」

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