インタビュー

12/13 更新 神楽坂恵さん 高村燿子役

神楽坂恵さん(高村燿子役)

――浅倉家崩壊のきっかけの一つとなった達彦の浮気。燿子を演じるのは、映画で数々の話題作に出演している神楽坂さんだ。
 「私はまだまだドラマの撮影に馴れていなくて(*連ドラのレギュラーは本作で2作目)、完成した第1話を観たとき、『うわ~、緊張しているな、私』と思いましたね(笑)。よく言われるんですよ。『全然、緊張とかしないでしょ』と。落ち着いて自信を持って演じようと最初から思ってましたが、内心はかなり焦っていたし、固くなっていました。撮影がだいぶ進み、現場での“居方”みたいなものは少しずつ見えてきましたが、現場初日に味わった緊張感を忘れないようにしています」
――不安もあったであろう初日の気持ちをなぜ大切に?
 「現場とか役とかに馴れたと思いたくないんです。それに最初の日のようにガチガチなのはダメですけど、緊張も少しはしていたほうがいいと思うので。撮影をしていく中で、共演者の皆さんやスタッフの方々がどんな風に燿子を演じてもしっかり受け止めてくださることが分かったので、恐れることなく燿子を演じています」

――神楽坂さんは一方で、燿子を演じることに悪戦苦闘しているとか。
 「これまでいろんな役を演じてきましたが、その中でも燿子は私にない感情をいっぱい持っている役ですね。気持ち的に分かる部分もあるんですけど、それ以上に“初めて”のことが多いので、ちょっとでも気を抜くと燿子になれないし、撮影が少し空いて、また現場に戻ってくるとなかなか燿子に戻れないときもあるんです。ちゃんと燿子になれてないと言えないセリフが多いので、演じる前にガッと気持ちを入れています。『あ~、今燿子じゃなかった』なんて思うのは本当に悔しいですから」
――自分に対し厳しい姿勢で、神楽坂さんは燿子役に臨む。
 「いろいろ考えるんですけど、考え過ぎることも良くないんですよね。燿子だけでなくどんな役にもセリフの裏側に本当の思いがにじんでいたり、素直に自分の考えを言っていなかったりするので演じる難しさはあると思うんですけど、燿子は人一倍気持ちをいろんなものに隠して包んでいる気がするんです。思うがままに生きているように見えて、実は計算している部分も結構あるんです。その表現が難しくて」

――では神楽坂さんは、燿子のどんな面を演じる上での“芯”にしているのか。
 「自分の気持ちに対してどこまでもまっすぐで正直なところとか…。今の燿子の心の大半を占めているのは達彦さんのことだから、彼をどうにかして自分のものにしたいという思いですよね。そのために誰かのことを利用するのもしたたかな感じでなく、“達彦さんと一緒になるため”という信念がそうさせているんだと私は思ってます。思いが強すぎて、ある意味純粋過ぎるから、行動が気持ちに伴っていないときがあるんですよ。『も~、燿子ちゃん、そんなやり方したらダメ! すぐバレちゃうよ』と演じていても思うときがあります(笑)。でもそこが、彼女の可愛らしさに繋がる気が私はします」

――燿子になりきる努力をする神楽坂さん。こんな話もしてくれた。
 「私は不器用だからそうそう簡単に別の誰かになることができなくて、演じる役に対しどこか少しでも近い部分があれば、例えそこが1%であっても無理やり広げて役になっていくタイプなんです。燿子もすごく一途なところなどは理解できたし、私も“これだ!”と思うものが見つかったら他のものは目に入らなくなる人なので、そういうところから燿子を演じるヒントを見つけていきました。
 役を演じていると、その場を離れても役がなかなか抜けてくれなくて、今も常に私の中に燿子がいる感じです。別に言動が燿子っぽくなるってことじゃないですよ。そんなことをしたら私の日常生活が破たんしますから (笑)。そうでなく、ちょうどいいところで自分の中に燿子の存在を感じていられると、演じる際、燿子を“呼び出す”ことが出来るんです。自分の中にどれくらいのパーセンテージで燿子がいてくれればいいのかは難しいところですけど」

――ここまで燿子を演じてきて、彼女の恋愛観や生き方そのものを神楽坂さんはどう思っているのだろう。
 「これまで男性にはそれなりにモテてきたんじゃないかと思います。でも同性の友達はいないのでは…。多分、普段はそんな明るいタイプでもない気がします。達彦さんにここまで固執するのは、彼なら自分の思いに応えてくれる、と感じているからでしょうね。毎回、恋愛では達彦さんと同じような愛し方をしてきたんでしょうが、今までの恋人は彼女にそこまで応えてくれなかったんです。でも達彦さんは根が優しいから『この人なら分かってくれるかも。応えてくれるかも』と思って暴走しちゃったんだと思います。そこまで好きになってしまったから、自分のしていることが実はよく分からなくなっている気もするし、もしかしたらこれまでの恋愛を反省しているのかもしれないです。もっと入り込んでもいいのかも、と」
――達彦への思いを胸に燿子がどんな行動を取るのか、今後も目が離せない。
 「例えば雑誌などで燿子のことを怖い女だとか狂気の女だとか書いてありますけど、私もそう感じなくもありませんが(笑)、なぜそうなってしまったのか考えながら見ていただけると、ドラマが一層おもしろくなると思います。もともとは肉親の愛に飢え、人を好きになっても相手が同じように思ってくれないことに深く傷ついてきた悲しみが彼女の負の原動力ではないか。そんな風にちょっと角度を変えてドラマを観ていただけたらうれしいです」

――最後に昼ドラ初出演の感想を。
 「展開が早い話ですが、撮影も早いです(笑)。セリフを話すスピードも普段のお芝居より早くしています。30分の放送の中で説明しなくてはいけないことがたくさん詰まっているから、普通に話すスピードじゃダメなんですよ。毎話すごいことが起きますが、燿子が関わっていることが多いので、正直疲れるときもあります。こんな激しいストーリーで次々問題を起こす役って相当大変ですよ(笑)。1日中、怒っている場面ばかり撮ったことがあって、『私自身が嫌な女になりそう』と何だか可笑しくなってしまったこともありました(笑)。田中(美奈子)さんや西村(和彦)さんとお芝居をしていると、テレビの画面を通したとき見やすいお芝居をちゃんとされているんです。私も勢いだけで演技をするのでなく、今後はテレビでの見やすさみたいなこともしっかり学んでいきたいですね」

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