インタビュー

12/25 更新 城咲仁さん(柳浩一役)

城咲仁さん(柳浩一役)

――家庭を守ることに必死だった智子を不倫に走らせた柳。演じる城咲さんは柳に対して、なかなか手厳しい言葉を並べる。
 「バイオリン講師でインテリだと思いますが、自尊心が強いし、女性を口説く言葉も言い切る感じじゃないと出せませんでした。相当なナルシストですよね(笑)。それに柳ってすごく狭い世界で生きてきたと思うんです。バイオリンのことだけをやってきて、他の世界を知らないんじゃないでしょうか。多分、男同士で遊んでも空気を読まない発言をすると思う(笑)。僕は友達にはなれないですね」
――とは言え、智子と再会した当初、家庭のことで悩む彼女を心配して気遣っていたが…。
 「それも僕としては…。常に自分のことが一番にある気がするんです。自分への見返りを求め、智子に優しい言葉を掛けている、というか。柳にとって智子は初恋の人だったけれど、智子も同じように自分のことを想ってくれていたことが分かり、『この女を落としたい』と柳の内心で火がついたんですよ、きっと。
 柳って根は真面目だと思うんです。学生時代は音楽一筋で、世間に出たら自分がモテることに気づき、『こんなことなら智子のことを口説いておけば良かった』なんて思っていたんじゃないですか(笑)。それで再会したら相思相愛だったことが分かり…。僕からしたら、相手も自分に好意を抱いている、という保証がある上でのアプローチなので、『柳、セコいぞ』と思わずにいられないんです(笑)」

――柳はあくまでスマートな態度を崩さないが、ずるがしこい面を隠しつつ、紳士として振る舞うこの人物をどう演じようと思ったのか。
 「柳のセリフってかなり非現実的なんですよ。特に智子を口説こうとするときのものは。そこにリアリティを持たせたくて、『人って燃えあがるとこんな自己陶酔型のセリフが言えるんだ』と見てくださる皆さんに思ってもらえるよう、ひたすらテンションを上げました。ただセリフ自体は面白かったですよ。困ったことに、言ってるうちに気持ち良くなっちゃって(笑)。楽しかったですけど、難しかったです。しっかり自分の言葉にして、言うことに陶酔しないと、相手が冷めてしまうものばかりでしたから」

――城咲さんにとっても柳はこれまで演じたことのないタイプだったとか。
 「最初にこのお話しをいただいたときは『ヨシッ!』ってガッツポーズをしました。役者としていろいろ挑戦できる役でしたから。クランクインしてすぐ、バイオリン指導の先生にバイオリン奏者の男性ってどういうタイプが多いのか聞きました。音大でもバイオリンを弾く男性って人気があるらしいですよ。バイオリンを弾く姿ってそれだけで格好良く見えるそうです(笑)。僕もいろんなタイプの恋愛をしてきましたが、さすがに不倫はしたことがないんですよ。夜中に柳の気持ちとか智子との今後とかいろいろ想像するじゃないですか。普通のラブストーリーなら自分の経験から似たようなシチュエーションを思い出して役作りをしますが、今回のような恋愛は未経験だから、考えても答えが出なくて、何だか気分が悪くなったときもありました(笑)。今言えるのは『不倫はダメ』ということですね。だって自分にとってマイナスしか残らないから。ドラマや映画の世界で料理のことを専門用語で“消え物”って言うんです。不倫も消え物だと思いますね。経験にはなるけれど、財産にはならないですよ。柳と智子が肌と肌を重ねるたび、肉体は満足するけれど精神は病んでいく感じ。すごく嫌でしたね」

――しかし一方で、城咲さんは柳と智子の関係について否定できないともいう。
 「ありえない、と思っている主婦の方もいるでしょうが、本当にそう言い切れますか? 恋愛にしろ不倫にしろ、自分一人だけの考えで進むものじゃなく、相手の気持ちもあるじゃないですか。もし相手が熱烈にアプローチしてきて、その人が自分のタイプだったら…。どんな身持ちの固い人でもどうなるか分からないんじゃないですか。家庭を必死に守ろう、やり直そうとしていた智子だって、柳の出現であっという間に不倫に走ってしまいましたが、このドラマってそんな、どこにでもある身近な“狂気”を描いている気がします」
――演じる上で難しいことが多くあった役との出会いは、城咲さんにとってプラスになったこともあったそうだ。
 「改めて自分が演じること、“芸能”が好きなんだと実感できました。作品にとってカンフル剤のような存在になれたこともうれしかったです。今、僕は35歳ですが柳は42歳なので、外見をどうしようか、声色をどうしようか、と監督と相談する時間もいろいろ勉強になりました。柳に対していっぱい“ダメ出し”をさせてもらいましたが(笑)、不倫は別として40代だろうと50代だろうと女性を見てときめくことは大事だと思います。智子とのクリスマスデートで柳はキスどころか手を握ることもしなかったじゃないですか。内心では『この女を抱きたい』と思いながら少年のようにグッと我慢するところは『男ってそうだよな。見栄を張る生き物だよな』なんて理解できましたよ」

――プライベートでもよく恋愛相談を受けるという城咲さん。ご自身の恋愛観も気になるところ。
 「柳と由紀の家庭は理想ですね。由紀が満面の笑顔で登場するところなんて、本当に癒されました。妻が仕事と家庭の両立に頑張りつつ、夫のことを自由にさせてくれるなんて、言うことないと思いますよ。
 実は僕自身は由紀タイプなんです。まあ、30歳を過ぎてあそこまで重い感じにはならなくなりましたけど。僕は家事も全然苦じゃなくて、女の子といても料理も掃除も進んで引き受けるから、ほとんどの女の子は何もやらなくなります(笑)。自分が快適に過ごすためどうしても頑張っちゃうんですけど、それが恋愛においていいのか悪いのかは別の話ですけどね(笑)」

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