インタビュー

12/28 更新 柳沢慎吾さん(矢崎修役)

柳沢慎吾さん(矢崎修役)

――達彦の友人として、その人生感や生き様が幾度となく対比されてきた矢崎。物語が進むにつれ、矢崎の内面の強さやたくましさが明らかに。
 「こういう展開になるとは最初は分からなかったですよ。西村さんからも『慎吾さんが一番おいしいところを持っていきましたよね。俺、矢崎役が良かったな』なんて言われちゃいました(笑)。何てったって矢崎は最初ただの“エロオヤジ”でしたから(笑)。自分の娘みたいな香織ちゃんに手を出そうとして。香織ちゃんと言えば、最初の頃、二人が手を繋ぐ場面があったでしょ(第10話)。香織ちゃんに『おじさんって奥さんをすごく大切にしているんだね』と言われ、『俺は女性全員を大切にしているんだ』と返しつつ唐突に『手を繋ごう』と言って。香織ちゃんも『エロオヤジ、スケベオヤジ』と言いながら、二人はずっと手を繋いでましたよね。それで香織ちゃんは内心でお金はあるけれど、それ以外は何もない浅倉家と、物質的には満たされていないけれど、本音で生きている矢崎夫婦を比べ、どちらが幸せなのか考えるようになりましたが、あのシーンは良かったし、好きですね」
――柳沢さんは今回初めてこの枠の作品に出演。矢崎のセリフに最初、驚いたそうだ。
 「中学生の女の子に対し、結構なことを言うんですよ。そりゃ、抵抗がありました。普段言いもしませんしね(笑)。初めての経験でしたし、『これが昼ドラか!』なんて思ったりして。(伊藤)梨沙子ちゃんもやりづらいと思ってなるべく話すようにしていました。もともと共演者のみんなとのコミュニケーションを取るのはいつも大切にしているんですよ。雰囲気って大事じゃないですか。特に今回は、みんな重い芝居を求められていたから、撮影中に笑顔がないんですよ。矢崎も後半は病院で沈痛な表情をしているか、泣いてばかりでしたから」

――泣くシーンではこんな話も。
 「この現場はすごかったですよ、みんな。泣く場面で全員が本当に涙を流していましたから。メイクさんも『こんな風に(キャスト)全員が “自前の涙”を流すことなんてそうそうないです』と驚いてました。もちろん、僕も自前です。泣く場面ではみんなに合い言葉があって、『1分待ってくれ』というものでした。気持ちを作るためそれだけ欲しい、という意味ですけけど、実際には35秒で泣いてましたね (笑)」
――ウイットに富んだ言葉でインタビューに応えてくれた柳沢さんだが、それだけ気持ちの入る台本だったと言う。
 「梨沙子ちゃんだってそうですよ。『私、無理です。泣けません』なんて言っていたのに、本番で号泣ですよ。『なんじゃ、この娘は』と思いましたね。彼女、まだ16歳だっていうからさらに驚きました。梨沙子ちゃんも(上遠野)太洸も作品に入り込むたび、どんどん顔つきが変わったんですよ。若い子たちのそういう変化を間近で見ることが出来たのも、今回すごく良かったですね」

――矢崎と絵里子夫婦の互いの足りない部分を補い、労わり合う愛の形はうらやましいと思うほど。柳沢さんは二人の関係をどう見ているのか。
 「矢崎は若い頃、金があるとギャンブルか女遊びに使うかで今も多少、借金があるんですよ。絵里子は何があってもそんな矢崎に優しくて、実は知り合った頃は人妻だったのを矢崎が奪ったという設定で、『何だ、この男は』と思いました。ただ、第37話のある場面で矢崎が愛とは何かをみんなに語りかけるんです。プロデューサーから矢崎のそのセリフがドラマを通して伝えたいことの一つだったと言われました。その場面も、リハーサルのときから全員涙、涙で。西村さんも泣いちゃいけないのに、目に涙をためていました。それに自分で気づき、『俺、ここで泣いちゃいけないんだ』って照れながら、『慎吾さん、最後の最後まで格好良いじゃないですか』と言ってくれましたけど、今回は良いセリフをたくさんいただきましたね」

――ところでこの作品では主演の田中さんを始め、久しぶりに共演する方も多かったとか。
 「(田中)美奈子ちゃんとは20代の前半で共演して、高樹さんも本当に久しぶりだったし。西村さんとはこんなにガッツリ仕事したのはどれくらいだろう…。もしかしたらドラマで共演するのは初めてかも。ただ彼は会う度、昔から僕の大ファンだったと言ってくれるんです。ずっと昔に僕がやっていたCMの決めセリフを言ってくれたりして(笑)」
――インタビューコーナーもこれでラスト。そこでドラマのタイトルにかけての質問を。柳沢さんにとっての幸せ、幸せの時間とは?
 「僕もいい年だから、健康でいられることも大切だけど(笑)、一番は笑顔でいられることかな…。そういう時間をたくさん持ちたいですよね。こう見えて、すごく疲れるときもあるんですよ。でもこうして現場にいると一人でポツンっているより、みんなと話しているほうが気持ちも乗ってくるし、それが芝居にも良い影響があると思うので。現場が好き、人が好きだから何事にも頑張れるのかな」

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