14 柳沢ななさん(山田藍子役)6月16日(水)更新

――愛を知らない女の子
 初めて台本を読んだ時は展開が早くて、夢中になって読みました。「これが昼ドラの台本なんだ」と実感しながら、このテンションに自分も巻き込まれていくんだな…と。

藍子は、小さい頃結核という病気を患って、母親を亡くしてからずっとお姉ちゃんを恨み続けてきたという女性。きっと愛を知らない女の子なのだと思います。病気のせいで小さい頃は外に出ていけなかったし、父親は酒乱だった。愛してくれたお姉ちゃんにも裏切られ、愛し方も愛されることも知らないのではないか。

監督からは存分に発散してほしいと言われました。私自身憎しみを抱いている役柄を演じたことがないので、新鮮でした。…でも藍子はただの悪役ではなく、ピュアであるがゆえに募ってしまった恨みだと思っています。小さい頃愛してくれたお姉ちゃんをもう一度見たい、もう一度愛されたい。だからやってしまう…。でも優しいお姉ちゃんを素直に受け止められない。本当に子供なんですよね。自分のことがわからなくて、感情を素直に表現できないような小学校時代の気持ちを思い出して、藍子を演じるようにしています。
――忘れられない登場シーン
お姉ちゃんと再会した私の登場シーン(45話)は忘れられません。台本に『娼婦姿の藍子』とあり、その当時のことを調べるところから始まりました。赤座さんが『肉体の門』を見るとよいと教えてくださって、勉強しました。この時代に体を売る女性の気持ちを感じることができました。また、男性への執着の仕方や昭和の女性の強さなど、時代背景を意識しながら話すように気をつけようと思いました。

このシーンの撮影は私にとって初日だったので、既に3ヶ月間出来上がっている現場に入っていく状態は、とても緊張しました。しかも朝5時までかかり、早速スタジオに泊まることになったんです(笑)。
――役に合った音楽を聴く
 私自身は家族を恨むことは今までなかったですし、私と藍子の性格はかなり違うので、藍子のスイッチをなるべく持続できるように、普段からなるべく落ち着いた自分でいるようにしています。また、いつも役作りする上で、その役に合った音楽を見つけるようにしています。台本を読みながらその音楽を聴くと、どんどん役の中に入っていけるんです。藍子に合った音楽はなかなか見つからなかったのですが、椎名林檎さんの『歌舞伎町の女王』や鬼束ちひろさんの歌が近いかな。

 ただ、復讐心という感情などをまじめに考えすぎると暗くなり、身動き取れなくなってしまうので、見ている方が昼ドラという番組を楽しんでみていただけるように、自分自身楽しんで演じようと心がけています。お姉ちゃんの写真に針を刺したり、ブラウスを破いたり、日常ではありえないレベルのことをやっているので、ある意味コントのように突き抜けた気持ちでやるようにしていますね。
――憎しみから嫉妬心へ
 陽平に対する藍子の気持ちというのは、恋人ではなく、腐れ縁やお兄ちゃんという“愛する存在”だと思います。一方藤堂さんは初恋で、純粋に“好きな人”。今までお姉ちゃんを恨んで恨んで生きてきたのに、藤堂さんとの再会によって違う気持ちが生まれてきてしまった。お姉ちゃんへの憎しみがさらに強い嫉妬に変わってきたのを感じます。

 最初はこっそり藤堂さんに愛をぶつけていた藍子ですが、愛人でもいいからお姉ちゃんと藤堂さんと3人で暮らすと言い出したり、がむしゃらな愛になってきて…。みんなが私に優しくしてくれるほど、「そんな優しさなんかいらない」ってイライラしてしまう。

 私自身は愛されたらその愛に応えたいとは思うけれど、自分から好きな人にぶつかっていくことはあまりないですね。彼女がいたらすぐ諦めちゃいます。私は自由人なので…(笑)。二人でいる時間が心地よくて、時間が経って初めて愛し合っていたのを実感できるような関係がいいですね。
――転機となる作品
 女優になりたいと思ったきっかけは、小学校の時『家なき子』を見たことで、給食の時間など学校でずっとモノマネをしていました。それからずっと安達さんのドラマを見続け、中学の時同じ事務所のオーディションに応募したのが、今の私の始まりです。

今回姉妹役で、ある意味激しく愛し合っている関係。両親も「信じられない」と言っているぐらいです。この作品は自分の転機な気がして…。ここで小さい時からの想いは叶ったから、これからは自分自身がどう突き進んでいけるかだと思っています。

 撮影が始まった当初、描いている姉妹像が違っていたら…という不安があって、一度安達さんと話したことがあるのですが、「それは監督に任せよう」と言われ、彼女の演技に対するスタンスを知ることができました。勉強になります。

 現場はドラマの内容とは真逆。みんなが楽しんで温かく作っているので、どうか作品を愛して欲しいと願っています。藍子のこともどうか嫌いにならないで(笑)。

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