【企画趣旨】

 日本のモノづくりを支えている町工場。
いま、町工場では仕事の傍ら喧嘩ゴマに夢中になっている人々がいる。喧嘩ゴマの地方大会、全国大会まで密着しながら、日本の町工場、日本のモノづくりの熱き人々の姿に迫っていく。

【番組概要】

 景気の低迷ですっかり自信を失くしたかに見える日本経済。『全日本製造業コマ大戦』は、町工場が元気になれる場所として始まった。モノづくりが大好きな町工場の職人たちだが、仕事は大企業の下請けの下請けのそのまた下請けだったりする。何の部品を作っているのかも知らされないまま、渡された設計図通りの品物を、オーダーされた数だけ期限内に作るだけの毎日でもある。しかし、シンプルなコマなら、捨てる端材で作れるし、モノづくりの魂を投入することもできる。かくして、町工場の徒はコマ作りに打ち込むようになった。
 直径20mm。形や重さ、材質も自由。持てる技術の粋を注ぎ込んだ『独楽(コマ)』で、喧嘩ゴマの真剣勝負に挑む。コマは英語で『top』と言うが、まさに日本一の『Top of Tops』を決める戦い、それが『全日本製造業コマ大戦』である。
 この喧嘩ゴマの大会には、全国で200を越える工場が参加している。岐阜県美濃市の『有限会社シオン』は、全従業員7人の小さな会社だが、コマでは強豪チームだ。今年は、地方予選で準優勝し、かろうじて全国大会に駒を進めた。コマ作りにのめりこむ従業員と、それ以上に夢中の社長の情熱が奇跡を呼び込んでいく。
 たかがコマ、喧嘩ゴマなど子供じみているかもしれない。しかし、その真剣さに、日本の町工場のモノづくりの魂が、笑いと涙の向こうにくっきりと見える…。