未芙由(志田未来)は家事を引き受けることと引き換えに鹿島田家の中に居場所を得る。しかし、家にいる条件として尚子(大塚寧々)から突きつけられたのは、専門学校などに通うことだった。「月に5万もあれば出来るでしょ♪」未芙由は固まった表情のまま「そうですね……」と答える。未芙由の全財産は3万円未満…簡単に5万円という数字を口にする尚子たちとの間に、やはり大きな壁がある事を感じる未芙由だった。

とりあえず洋服店でアルバイトを始めた未芙由だったが、同世代の同僚・怜美(梶原ひかり)との会話で、自分がいかに将来の夢や、そのために必要な金も持っていないかを思い知らされる。未芙由は今、何者でもない。そしてそれは、5年後も何者でもないままかもしれないということでもあった。不安にかられる未芙由。そんな中、家で家事をしていると隆平(上杉柊平)から「料理の勉強したら?」と提案される。「料理なら世界で働けるし」柊平は未芙由のために料理学校の資料も探して渡してくれた。「無理にそこにしろとかじゃないし、ゆっくり選べばいいよ」隆平のやさしさに心が潤う気がする未芙由。だが、資料を見て愕然とする。そこに書かれていた費用は到底、未芙由が手を出せるような金額ではなかったのだ。「そういうことなのだ。貧乏人にはチャンスさえやらないって。それがこの世の中なんだ」

一方、保護猫の里親を探すボランティアに参加している尚子は、NPO法人の吉岡(松本利夫)に見た目の印象をほめられ、浮き立つものを感じていた。そんな尚子に仁美(国生さゆり)が声をかける。「若い子にどう見られるか確かめてみる?」仁美に誘われやってきたのは合コンだった。無理にはしゃぐ尚子。その場の会計も自分で済ませてしまう。そんな尚子の様子を仁美がじっと見ていて……

そんなある日、未芙由は雄太郎(羽場裕一)との会話から、亡くなった母親・幸恵(芳本美代子)の遺産や保険金を自分が受け取れる可能性に思い当たる。未芙由は実家に連絡するが、父親の幸司(春田純一)も、継母のはるか(玄理)もお金のことは弁護士に任せてある、と取り合わない。こちらで弁護士に相談しようにも金がない。やはり、世の中はお金だ……絶望の中、未芙由は雄太郎から食事に誘われる。