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2回目

前回に続いて、「氷河期が来る可能性(危険性)」について書いていこう。
2020年に発表された複数の報告書で、二酸化炭素レベルの増減が氷河期到来を誘発する可能性が強調されている。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが公の場で大人たちに対する怒りをあらわにせずにいられないことにも、きちんとした理由がある。これから先の世代の人類の存亡がかかっているのだ。
気象学や地学の専門家たちの間では、氷河期(特徴から定義すればミニ氷河期)が訪れるなら、そのさきがけとなるのは二酸化炭素の放出過多によって起きる地球温暖化であるというコンセンサスが科学界で生まれつつある。
地球の天候は過去1万1000年間安定していた。極端な気候の変化がない環境の中、生物の進化もスムーズに進み、文明が生まれ、発展していくための条件が整いやすかった。しかしそれ以前の時代、地球は長い間氷に閉ざされていた。これまでのパターンを見ると、氷河期と短い温暖期が繰り返し起きていることがわかる。
氷河期の直接的なきっかけとなるのは、前回で紹介した太陽表面に近いふたつの層に生じるズレだが、これはタイミングの悪い外的要因に過ぎないのかもしれない。地球由来の内的要因、そして真因となるのは、大気中の二酸化炭素濃度の上昇である可能性がきわめて高い。二酸化炭素が地球気候のコントロールノブとして機能していると主張する専門家もいる。
そして前述の通り、少なくとも南極においては氷床の絶対量が増加し続けている。単純に考えれば、地球は冷え続けているのだ。こうした状況証拠から言えば、今の地球は、まさに氷河期前夜の状態にあると言っても過言ではないかもしれない。
科学界もこうした状態をただ傍観していたわけではないはずだ。しかし、ある程度結果が分かっているプロセスに対して有効な手を打てないこともある。二酸化炭素濃度が高まると同時に、氷床の絶対量が増加するというシナリオは、まさにそういう状況なのだろう。
そもそも、氷河期到来の原因は隕石の衝突やポールシフトをはじめとして様々なものが挙げられる。しかし今、われわれは太陽活動の低下と南極氷床の増加という絶対的な響きを伴う事実を突きつけられている。少なくともミニ氷河期(ミニとは言っても数百年続く)の到来は避けられないところまで来ている。いや、もう後戻りできないところまできている。これはあいまいな滅亡予言やトンデモ予想ではなく、ただの現実なのだ。
文=宇佐和通 / 協力=ムー編集部