第8話
9月21日放送
少年院を退院後、母・はつみ(田中美里)と暮らし始めた満(清水大登)。志方(遠藤憲一)は、時々顔を出しては社会復帰のための手助けをしていたが、満は一向に心を開く様子がない。さらに、買い物に出れば、「やっぱコイツだよ」「マジ?同級生殺しちゃったの?」とネットに流出した写真を見た少年たちに絡まれるなど、心落ち着かない満。わかっていたことだが、やはり世間の目は厳しい――現実を思い知らされる。しかし、志方にいったい何ができるのか。被害者の父が加害者の父になることなどできるのだろうか…。
そんな満を三崎海岸の砂浜に連れ出した志方とはつみ。2人を前に志方が口を開く。
「…恭介とここに来たことがあるんだ」
生きていくのは辛いね、と父に本音を吐露したその翌日、恭介(渡邉蒼)は満に殺された――。もっと生きているうちに息子と本音で話をしたかった…。後悔を口にする志方、罪悪感に何も言えない満。気づまりな空気を変えようと、はつみは「せっかくだから、みんなで写真撮ろう」と提案。笑顔のはつみ、仏頂面の志方と満。初めての3人の写真だ。
はつみのアパートを刑事の角田(清水伸)が訪ねる。14年前に別れたはつみの元夫、満の実の父親が事故死したと言う。最近では、刑務所を出たり入ったりの札付きの男だったので一応調べている、と。
話を聞いた満は動揺する。会ったこともない父だったが、いつかは会えると信じていたのだ。でも…「父さんが死んだのは悲しいけど、母さんがいればいい。おじさんと暮らすのは嫌だ」満の目に狂気が宿る。志方と別れるか、あるいは自分と死ぬか…包丁をつかみ、はつみに突きつける。「覚悟があるのなら…刺しなさい」はつみがひるまずにじり寄ると、満は外へ飛び出す。後を追ったはつみは、満に手を振り払われたはずみで階段から転落、頭部を強打し意識不明に陥ってしまう。
その頃、志方は、雪子(田中美佐子)と2人の娘と家族4人で久しぶりに集まっていた。「来月には式を挙げるから」と志方に結婚式への出席を頼む長女・真弓(仁村紗和)、恭介の事件以来いろいろ考えることがあり「法学部を受けようと思う」と話す次女・真紀(永瀬莉子)を、「いいんじゃないか」と嬉しそうに見つめる志方――。
少年犯罪が生んだ、残酷で数奇な運命に翻弄される人々。
待ち受ける未来は、希望か絶望か…。
慟哭の最終回!!