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終末の日 ー後編ー

※画像は「ムー公認 毎日滅亡カレンダー」より

マヤ予言の最後の日とされた2012年12月21日~23日に向けて、マヤ文明のご当地メキシコのタバチュラ市には「世界終末時計」が設置され、残り時間をアトラクションのように受け入れる人々でごった返した。

マヤ文明、メソアメリカには天地の創造神ククルカーンが語り伝えられている。翼を持つ蛇という意味の名前だが、その姿は真っ白な出で立ちに長い髭に長身で、白き神として語られている。そのククルカーンは、天空から舞い降りてマヤ人に叡智と文明を授け、そして空の彼方に去っていったという。「いつの日か、必ず帰ってくる」という約束を残して。

このような神話を持つマヤ文明の予言ゆえに、2012年の「最後の日」にククルカーンの再来が期待されたのは自然なことだろう。現地では人里離れた場所にコミューンを作り、来たるべき破滅をやりすごし、自分たちだけが救世主によって選ばれるのだ……という活動もあった。
南フランスのビュガラッシュ山はその好例だ。地層の年代が逆になっているという特徴から地底世界との関連が囁かれたりキリスト教のカタリ派との関わりがあったりと、ともかくミステリアスな聖地として語られていたビュガラッシュだが、「マヤ予言における最後の日にUFOが来て救済する」と話題になったのだ。当の12月には人口200人の村に終末を恐れ、救済を求める人、またその熱気を観光気分で楽しむ人で異様な状態だったという。

ここに来て「フランスでUFOが救済」という展開を意外に思うかも知れない。
実は人類に文明を授ける創造神は世界中に分布する古代神話に共通するものだ。シュメール文明のアヌンナキをはじめ、彼らは実は古代に地球に飛来した宇宙人であり、人類に文明を授けて天に帰っていった存在がいつか地球に帰還するという物語は比較的普遍的に人類史に刻まれている。

古代の神々は自分の遺伝子を分け与えて人類を作ったともいわれる。地球に帰還した神々は、現在の人類をどうするつもりなのか? さらなる進化を与えるのか、家畜のように収穫するのか、もしくは失敗作として粛清するのか。ノストラダムスの大予言における「恐怖の大王」の位置に、マヤ最終予言では「救世主」「古代の神」が戴かれたのだ。
終末論は、期待の裏返しでも語られる。地球まるごと、人類全体の滅亡は、現在ある不満や不公平をご破産にするともいえるからだ。財産や地位や能力に関係なく、滅亡が平等に訪れるならば、それを救済と思う人もいるだろう。それが神の御業であれば、あきらめもつく。

だから、ドラマ「隕石家族」のように地球滅亡まであと半年となったら……案外、自分だけは大丈夫だとにこやかに過ごす人も多いかも知れない。創世神話と対になる終末神話を抱いて築いてきた人類の精神文明は、「その日」を迎える準備ができている――そう考えてもいいだろう。

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