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坂上忍さんが語る「やっぱりお芝居はいいな」の真意とは!?

 『真昼の悪魔』の原作ファンだと公言している坂上忍さんが、3月25日放送の最終話にゲスト出演することが決定しました!

「この作品を映像化することには意義がある。嬉しかったな」

 原作の『真昼の悪魔』を「20数年前に女優・岩下志麻さんに“映画化したいから読んでみて”と薦められた一冊だった」と話す坂上さん。「最初に読んだときにはとても驚きましたが、自分の好みの作風でした。たぶんもう20回ぐらいは読み込んでいて、一冊は気になった言葉を全部マーカーで引いていて、もう一冊は何も手をつけないで保存用にしています」と、かなり気に入っている様子。
 さらに、「この物語をホラー的に取ろうと思えばいくらでも捉えられますが、読めば読むほど人間が抱えている心の闇と悪の部分が描かれていて。読んでいくうちに、僕にも悪の部分があるなと怖くなってくるんです」と、この本の凄さと面白さを語っていました。

『真昼の悪魔』がドラマ化されると聞いたとき、「マジ!? 勇気あるな」と思わず発言してしまったと笑う坂上さん。「でもこの作品を映像化することには意義があると思いました。実際にドラマも見て、やはりあの本は今でも通じますし、たぶん一生通じると思うんです。監督、スタッフ陣が目を向けていたところはやはり“人間の内面の部分”。その部分がクローズアップされていたので、原作ファンとしては素直に嬉しかったです」と話しました。

坂上さんが演じるのは、葉子と出会って崩された家庭の父親役

 最終話で坂上さんが演じる役は、第二話で葉子の悪魔的な部分に影響された子供の父親・竹居道明役。葉子と出会ったことで崩された家庭の父親が、葉子と対峙することで彼女にどんな変化をもたらせていくのかが、見どころのひとつ。
 撮影後、共演者についての感想を聞くと、「田中麗奈さんとは初共演でしたが、葉子という難しい役をよくつかんでいらっしゃる印象でした。いい目をしていらっしゃる方だなと思いました」と話す。また、リハーサルで田中さんにやんわりとイントネーションを指摘したことも明かし、「気持ちはわかります。たぶん田中さんは葉子という役を本当に大切にしていて感情が入るから、そうなったのかなと思いました」と、ほっこりしたエピソードもポロリ。

 また中村蒼さんに対しては、「中村君はとてもいい意味で地味さが素敵だと思いました。この作品の世界観を表現するには“中村蒼”という役者が立つよりは、難波という風に見られたほうがいいですし、少しぞっとする部分が出ていたのもいいなと思いました」と絶賛。久々の共演となった伊武雅刀さんには、「ずいぶんご無沙汰していて、なんだか照れくさかったです。神父役は伊武さんだと聞き、よくよく考えたらこういう役を演じるのは伊武さんぐらいしかいないと思いました」と、再会を楽しんでいた様子でした。

「やっぱりお芝居はいいなと思っちゃいますよね」

 俳優としてのキャリアは長い坂上さんですが、最近はバラエティー番組や司会業等での活躍ぶりが目覚しく、ドラマは『早子先生、結婚するって本当ですか?』(フジテレビ系 2016年4月~6月放送 第一話ゲスト)以来の出演。
「映像は僕が育ってきたところなので、時間の流れがとても居心地がいいですね。バラエティーは時間の進み方がとても早く、時間の使い方が(映像と)全然違う。映像は待ち時間が多くても考えることはたくさんありますから、やっぱりお芝居はいいなと思っちゃいますよね」と嬉しそうに話しました。

そして、田中麗奈さん、中村蒼さん、伊武雅刀さんの3人から、坂上さんとの共演についてそれぞれコメントを頂きました。

田中麗奈さん
「坂上さんを役者さんとはもちろん認識していますが、最近は司会業をされている親しみのほうがあるので、初共演の楽しみと、普通に(演技を)見てみたいという好奇心もありました。とても大事なシーンをご一緒させて頂きましたが、今まで葉子に対してこんなにも真正面から言う人はいなかったので、(坂上さん演じる)竹居さんの言葉を聞き、葉子という人は本当に特殊な人で、欠けている部分があるのを再認識したシーンでした。大変楽しく共演させて頂き、嬉しかったです」

中村蒼さん
「坂上さんは大先輩の役者さんですし、それでいて今は役者だけではなく、仕事の幅の広さから色々な世界を見ている方だと思うので、僕のことも見透かされていそうな、そんな緊張感はありました(苦笑)。同じシーンをご一緒して、竹居さんという人物を説得力を持って演じられていたと思います。撮影の合間に、“今、僕ら(中村)世代の俳優が多いよね”みたいな話から、坂上さんが僕の歳ぐらいのときはどういう方だったかとか、飼っていらっしゃるワンちゃんの話もしてくださいました。(中村君、いいねと坂上さんが話していたと聞き)坂上さんが原作のファンと伺って、そういう方とお芝居をする機会はなかなかないと思いましたし、原作ファンの方の期待を裏切らないようにしたいという思いは難波を演じる上でずっとありましたので、坂上さんにそう言って頂けたのなら、とても光栄に思っています」

伊武雅刀さん
「坂上くんとはずいぶん昔に共演して以来ですね。最初に彼に会ったのは、16、7ぐらいだったんじゃないかな? こんなに期間が空いての共演もなかなかないと思いますし、とても不思議な縁を感じました。撮影の合間に彼と雑談をしていて、“僕、今年で50歳になるんです”と言うので驚いてしまって。だから急に“僕も歳を取った、長いこと役者をやっているな”なんて、普段あまり意識しない、自分の年齢を意識してしまいました(苦笑)。なので楽しいような、懐かしいような、そんな坂上くんとのシーンでした。せっかく久しぶりだったので、もう少し長く一緒にお芝居したかったですね」

 六話以降の原作にない展開について坂上さんは「何より僕の一押しの原作なので、遠藤周作ならではの世界観、その精神を引き継いでのオリジナル化したラストの展開ですから。是非、観ていただきたいですね。最終回のああいう終わり方は、僕は好きでしたよ」と、視聴者へメッセージを送りました。