マーガリンというと、朝食や学校給食などでパンに塗って…という方が多いと思います。
しかし、最近健康に悪いと言われているトランス脂肪酸が多く含まれているということで売り上げが激減。
そこで、日本のメーカーが続々とトランス脂肪酸が少ないタイプを販売しています。売り上げも徐々に戻りつつあるようです。
東海地方の人にとっておなじみのモーニング。コーヒーにマーガリンたっぷりのトーストは欠かせないですよね。
実は最近、そのマーガリンに変化が起きていたんです。
やってきたのは、スーパー「ナフコ不二屋 岩野店(愛知・春日井市)」。売り場に並ぶマーガリンのパッケージを見てみると、『トランス脂肪酸低減』と書いてあります。
買い物客:「気付かなかったです」
別の買い物客:「知らないです」
お客さんも気づかない人が多いようですが…
スーパーの店長:
「“トランス脂肪酸低減”の表示が出来て、健康を気にされていた方がさらに気にされるということで、若干売上げが伸びているという感じです」
トランス脂肪酸とは、いったいどういうものなのでしょうか。東海学園大学健康栄養学部の西田淑男教授を訪ねました。
西田教授:
「植物油をマーガリンなどに変える時に『水素添加』ということをやるんですが、その時に複製して出てくるものです」
液体の植物油を日持ちさせるため、固体に変える時に出来るというトランス脂肪酸。もともとバターの代用品を作る過程で生まれたといいます。
しかし、これを摂りすぎると、体にある影響が…。
西田教授:
「心疾患や冠動脈性心疾患、要は心臓の病気が起きやすいということです」
このため、WHO=世界保健機関ではトランス脂肪酸を1日の総エネルギー摂取量の1%未満、およそ2gに抑えるよう勧告。
さらに、アメリカでは6月からトランス脂肪酸を含む油を食品に使ってはいけないと規制をしたんです。
この流れを受け、日本でも今年の春頃からトランス脂肪酸を減らす取り組みが始まりました。
例えば、雪印メグミルク「ネオソフト」では、これまで1回あたりの使用量10gに対し0.8g含まれていましたが、以前の10分の1の0.08gまで減らしました。
(電話インタビュー)
雪印メグミルクの担当者:
「トランス脂肪酸の少ない他の油に置き換えて、おいしさ・塗りやすさを考慮して作り上げました。実は2015年に大々的に報道がされて以降、マーガリンの売り上げが年々落ちていましたが、大幅ダウンの状況から前年並みの販売となっています」
さらに、明治の「コーンソフト」では、なめらかな口どけそのままにトランス脂肪酸を約9分の1(10g中0.1g)までカット。
J-オイルミルズの「ラーマ」はバター風味と塗りやすさにこだわり、約8分の1(10g中0.1g)にカットしました。
また、小岩井乳業はトランス脂肪酸を他のメーカーと比べて最も少ない0.068gとしました。量を減らしても味は変わらないそうです。
毎日使うマーガリン。美味しさはもちろん、健康にも優しい品を選んでいきたいものです。