人気の「ふるさと納税」を巡って、愛知県碧南市の呼びかけが波紋を呼んでいます。

 これまで返礼品の豪華さが問題になるなどした「ふるさと納税」ですが、寄付の募り方にも課題が見えてきました。

(街頭インタビュー)
Q.ふるさと納税制度は使っていますか?

男性:
「よく使っています、山形県の果物とか、長崎県の水産物とかですね」

女性:
「なんかお得な感じはあります」

 応援したい市町村に寄付をすると、住んでいる自治体に納める税金が安くなるうえ、特産品など「お礼の品」ももらえると人気の「ふるさと納税」。

 ところが、市町村同士でお礼の豪華さを競う競争が激化し、家電や商品券といった地元と関係ない品が使われる事態にもなっています。そんな中、新たな波紋が…。

 愛知県碧南市がホームページに載せている税理士に向けたメッセージ。税理士の顧客がふるさと納税をした場合は10%の手数料を支払うと明記しています。このなりふり構わぬ「キックバック作戦」に、驚きや苦言も…。

河村たかし名古屋市長:
「それだけ碧南のみなさんも必死だということでしょう」

大村秀章愛知県知事:
「節税したいお金持ちを紹介してくれ、紹介したら報酬払いますというのはふるさと納税の制度の趣旨から外れている」

 これに対して当の碧南市は…。

碧南市の担当者:
「ふるさと納税の寄付を獲得していくにはどういう手段があるのかというのアイデアという考え方なので、ある種の営業努力という理解。高齢者にはパソコンそのものも使えないかたもいらっしゃると思う」

 ふるさと納税はインターネットの紹介サイトを通じて寄付するのが一般的ですが、碧南市は税理士に仲介してもらう「営業努力」で、高齢者などにもアピールする狙いがあるといいます。しかし、10%の「キックバック」はアリなのでしょうか?

碧南市の担当者:
「インターネットのポータルサイトでも、同様の手数料がかかっていますので、もとは税金でありますけれども社会通念上許される範囲だろうという理解のもとに進めています」

 碧南市は、サイトにより条件が違うため詳しくは話せないとしていますが、昨年度はおよそ5億4000万円のふるさと納税に対し、1割弱の、およそ4500万円をサイト運営会社などに支払いました。

 これまで明らかになっていなかった紹介サイトへの「手数料」。各市町村などへの取材によりますと、5%から15%ほどの手数料が発生しているようです。

 “10%の手数料”について、街の人に聞いてみました。

女性:
「1割ってすごく大きいですね」

男性:
「誰かのお金儲けになるわけですよね。でも税金ってそういう類じゃないじゃないですか。だから僕は反対です」

 サイト運営会社各社は、東海テレビの取材に「市町村と契約し、適正な手数料を設定していて、高いとも安いとも言えない」などとコメントしています。

「ふるさと納税」に浮上した手数料問題。碧南市にはすでに税理士を通じた寄付の申し出があり、手数料を支払うということです。