粉ミルクと言うと子供用というイメージですが、最近大人用の粉ミルクが販売されて人気なんです。

 なぜ大人が…?どんな味…?気になるところを含めて取材しました。

■50代から70代の女性が…

 名古屋市北区にあるスギ薬局城北店。訪ねてみると…。

清水亜里沙アナウンサー:
「ありました!『ミルク生活』って書いてあります。これですね。これが大人用の粉ミルク、丸い缶に入って乳幼児用のミルクに似てますけど、ちゃんと『大人のための』って書いてあります」

 確かにありました!大人の粉ミルク。このお店では3種類売っていましたが、15杯分入って1缶2000円くらいが相場のようです。

Q.大人用粉ミルクはいつから売り場に?
スギ薬局広報室・迫西克行さん:
「今年の4月ごろから店頭販売を開始しております。約半年間で2倍ほど売り上げが伸びています」

 50代から70代の女性を中心によく売れているとのことで、現代人が不足しがちなカルシウムや鉄分、さらに、整腸作用があるビフィズス菌など色んな栄養素がまとめて摂れるというのがポイントのようです。

 まず気になるのが、味!実際に作ってみると…見た目は赤ちゃん用のものと変わらないようですが、街の人に大人の粉ミルクを試してもらうと...?

50代女性:
「甘いですね。豆乳よく飲むので。それよりもスイートな感じで」

20代男性:
「プリン?プリンみたいな甘い系?」

60代女性:
「飲みやすいですね。臭みもないしクセもない。飲みやすいといえば飲みやすい」

 クセがないという声が多い一方で…。

20代男性:
「なんとも言えないです(笑)正直僕はあんまり好きじゃないです」

20代女性:
「甘いのが苦手だからかな?甘く感じる」

 独特の甘みがちょっと苦手…という人も。でも、ほとんどの人が飲みやすいという結果でした。

■開発のきっかけは「お客様の声」

「粉ミルク」といえば、やっぱり赤ちゃんが飲むものというイメージですよね。どうして大人用が登場したのでしょうか。乳児用の粉ミルクを長年作ってきた森永乳業に伺ってみると…。

(電話インタビュー)
森永乳業の担当者:
『「育児用ミルクを毎日飲んでいる」、「大人向けに色々な栄養が入っている粉ミルクがあればぜひ購入したい」といったお客様の声を元に開発しました』

 実は以前から赤ちゃん用の粉ミルクに含まれるカルシウムや鉄分が「骨粗しょう症」や「貧血」への対策としてシニアの女性に注目されていました。

 乳児用の粉ミルクを飲んでいるという人が沢山いたそうで、メーカーにも年間100件ほど問い合わせがあり、「大人用の粉ミルク」の発売に踏み切ったそうです。

 牛乳と栄養素を比べてみても、多いものだと「カルシウム」は2倍。内臓脂肪を溜め込まない効果がある「中鎖脂肪酸」は3倍など、大人用の粉ミルクには積極的に摂りたい成分がたっぷり入っているんです。

 赤ちゃんの健康を守ってきた粉ミルク。今後は、大人の新たな健康食品として定着するかもしれません。

 ちなみに、乳児用はもともと赤ちゃんが全部の栄養素を摂れるようにと作られているので、脂質やカロリーが高め。

 このため、大人が飲むと栄養過多になってしまうこともあります。また、そもそも味がないため、大人が飲んでもおいしくはないそうです。