ピアニカなどの名前で親しまれている「鍵盤ハーモニカ」。小学校の授業で使う楽器というイメージが強いですが、最近は40、50代の女性を中心に「大人の楽器」として愛好者が増え、静かなブームになっています。実はきちんとした理由もありました。

■いま大人がハマる鍵盤ハーモニカ

 小学校の授業で練習した!という人も多いのでは…と思われる鍵盤ハーモニカ。街の人に聞いてみると…?

Q.鍵盤ハーモニカを使ったことはありますか?

20代女性:
「使ったことあります。小学校の時、幼稚園の時」

30代女性:
「『かえるのうた』とかよく輪唱で遊んでた気がします」

 その一方で…。

Q.大人になってから使ったことは?

女性:
「ないです、ないです」

別の女性:
「使ってないね。全く使ってないです」

 やはり子供の楽器というイメージが強いようです。しかし、名古屋市内の楽器店へ行ってみると…。

柴田美奈アナウンサー:
「ありました、鍵盤ハーモニカ。カラフルなものが並んでるんですけどカラフルな子供用の隣に少し大きめの鍵盤ハーモニカが…」

 一体、これは…?

店の担当者:
「大人用の鍵盤ハーモニカです」

 なんと売られていたのは大人用の「鍵盤ハーモニカ」。子供用はピンクや黄などかわいい色なのに対し、大人用は黒や赤などシックな色で、鍵盤の数も子供用より多いんです。

 中には、超豪華!木でできた10万円以上する鍵盤ハーモニカも!

 さらに、ピアニカでお馴染みのヤマハは、今年6月に30年ぶりにリニューアルして、「大人のピアニカ」を発売。この店舗では、従来の2倍以上売れているそうです。

同・担当者:
「40代、50代の方が非常に多くお求め頂いております。音楽何かやりたいんだけど、高い楽器や、大きい楽器は準備が難しいので、趣味の1つとして人気があります」

 手軽でコンパクト。さらに人気を集めるワケは、ミュージシャンがYouTubeなどで公開している「投稿動画」。

 鍵盤ハーモニカでここまでできるのか!と反響を呼び、憧れから始める大人が増えているんです。

■演奏が意外と“腹筋に来る”

 取材した楽器店の2階でレッスンが開かれているということで見学させてもらうと…。

柴田アナ:
「お邪魔します。大人の皆さんがレッスンされてますね」

 この教室には40代から60代の女性を中心におよそ70人が通っているそうです。生徒さんに魅力を聞いてみると?

女性:
「みんなで合奏してまとまった時、それが楽しくて楽しくて仕方ないです」

別の女性:
「息の使い方で表情が出るっていうか、表現ができるっていうか。奥が深い楽器なので。まだまだ勉強したいことがいっぱいあります」

 教えているのは、日本でも珍しいプロの鍵盤ハーモニカ奏者の松田昌さん。元々は、エレクトーンのトップ奏者でしたが、歌うように表現できる魅力にハマったそうです。

 柴田アナも、まずは息を吹き続ける基礎練習から挑戦…。

柴田アナ:
「(音を出して…)ただ吹いているだけのように見えますが、一拍が長くて息を持たせるのが大変なんです」

 基礎練習が終わったところで、クリスマスらしいこの曲に挑戦!『ジングル・ベル』を吹いてみますが…、松田さんが同じ曲を吹くと全く雰囲気が変わります。舌や腹筋の使い方を覚えると、表現の幅が広がるのだそうです。

柴田アナ:
「久しぶりに鍵盤が弾けて楽しいですが、楽しいだけじゃなくてかなり腹筋にきてます」

松田さん:
「この楽器はね、鍵盤があるから鍵盤楽器なんだけど、吹いて音を出すから管楽器でもあるわけ。指のことと呼吸のこと、両方が必要です」

 楽しいだけでなく、吹くだけで体がポカポカして健康面でも注目の鍵盤ハーモニカ、おすすめです!