■“なぞって削るだけ”で大作

「スクラッチアート」…黒い紙をペンでなぞるだけで浮かび上がるカラフルな絵画です。

 日本語でいうと“削り絵”。特殊な黒い紙を先の尖ったペンで削るだけで下からカラフルな絵が現れると、いま注目されています。

 名古屋駅のジェイアール名古屋タカシマヤに入る書店「三省堂書店」の売り場では、たくさんの「スクラッチアート」が販売されていました。

 棚1列以上に「ファンタスティック・ビースト」や「ハリーポッター」など、約80種類の商品があり、“心を癒す大人のスクラッチアート”と書かれています。

 数年前には「大人の塗り絵」が、手先を使って脳が活性化し、気軽にアートができると大ブームになりました。時代は変わり、「塗り絵」の次のブームとして人気急上昇中です。

三省堂書店・水町明香さん:
「とても売れております。このままでいくと、大人の塗り絵を抜いてくるかと思います。自分の手を使って、細かい動きをするということで、認知症予防だとか、脳の活性化、脳トレとして選ぶ人もとても多いです」

 この書店では「スクラッチアート」の手軽さを紹介するため、体験会を開いたところ、お客さんが殺到したため、現在は体験コーナーを常設。この日も熱中する人達がいました。

女性:
「楽しそうだなと思って」

別の女性:
「道具とかもいらなくて、簡単にできるから。けっこう細かく作られているので、やりがいがあっていいかなと」

 必要なのはスクラッチシートと、付属のペンだけ。下絵に初めから色がついているので、色のセンスが問われません。塗ると難しいグラデーションも簡単に。慣れると“大作”もできます。

■「スクラッチアート講座」には親子の姿が

 最近ではスクラッチアートの講座も誕生。愛知県東浦町のアート教室「Meetch(ミーチ)」では、子どもと一緒にスクラッチアートを楽しむことができます。ここで使われているのは柄のない、真っ黒なシートでした。

女性:
「好きな絵をかいて、フリーハンドで色を出して進めていきます」

 100円ショップでも購入できる「スクラッチシート」を好きなサイズに切って使うそうです。削るペンも描きたい線の幅によって変えるので、この教室では竹串や割り箸など4種使い分けていました。

Q.いま何を書いているの?
女の子:「雪の結晶!」

Meetch講師・鈴木未樹さん:
「絵を描くことに苦手意識を持つ人が減るといいなと思います。スクラッチアートは、アイデアや五感が発達していく、親子で一緒に楽しめるアートだと思います」

 出来上がった作品は、額縁に入れて飾ると、部屋のインテリアにもバッチリ。これなら“気軽に”チャレンジできそうです。