■知られざる御料車…一般発売のない皇室専用車

 天皇皇后両陛下のご移動にかかせなかったのが『御料車』です。中でも最も豪華なリムジンが、トヨタが設計した「センチュリーロイヤル」。平成18年から導入され、御料車としては6代目にあたります。

 価格は、トヨタが通常販売している「センチュリー」で1960万円ですが、この「ロイヤル」は通常仕様で5250万円、防弾仕様では9450万円です。

 トヨタ自動車によりますと、センチュリーロイヤルは皇室専用車で、一般販売はされていないということです。

■御料車のナンバープレートは?

 御料車を見ると、通常のナンバープレートの位置には菊の御紋が…。一見、ナンバープレートが無いようですが、実はちゃんとついているんです。

 それが、ヘッドライト脇の小さな丸いプレート。「皇室専用ナンバープレート」で、これがないと皇室専用車と言えど、公道を走ることはできません。一般の自家用車と同じように車検証もあります。

 御料車は普段皇居内に保管されていて、公的な行事のときに陛下がご乗車になるということです。

■センチュリーロイヤル、実は“4台”あった

 そして、そのナンバープレートをよく見てみると、「上に皇室の『皇』、下に数字」が書かれています。実は「センチュリーロイヤル」は1台だけではなく、4台あるんです。

「皇1」は両陛下の専用車で、18日の外宮参拝時には皇后陛下がお乗りになっていました。天皇陛下は「皇3」にお乗りでした。

「皇3」と「皇5」は、国王や大使など国賓を送迎する時にも使われていて、防弾仕様になっています。

 そのほか、葬儀の時に使われる寝台車、「皇2」もあります。「4」は欠番だということです。

 ちなみに宮内庁によりますと、今回の両陛下の三重県ご訪問では、御料車は事前に“自走”して伊勢市に先回りしていたということでした。

 また、そうした回送の際には、菊の御紋を黒いシートで覆い隠して走行するのだそうです。