「令和」への改元間近に賑わいをみせた岐阜県関市の「道の駅平成」。あれから4か月経った今、どうなっているのか、現状を取材しました。

■平成の最後はフィーバー…「道の駅平成」の今

 今年5月、時代は平成から令和へ。改元で注目を集めたのが、岐阜県関市の「道の駅平成」。

 5キロ以上の渋滞に、開店1時間前に満車、レジ待ち30分と大混雑に。改元の直前には1日で、なんと1万人が訪れました。

 その「道の駅平成」。8月下旬に訪れてみると令和になっても大人気、この日は午前10時の時点で大勢のお客さんがいました。

道の駅平成 川合さん:
「令和になったらお客が少なくなると思ったら、そんなことはなく、全然変わらないですね」

 改元ブームで知名度が上がり、「なんとなく行ってみよう」という人も含めてお客さんが増えたようです。

「道の駅平成」は今から23年前、地名の「へなり」と元号をかけた駅名で、特産品の「しいたけ」をウリに開業しました。

道の駅平成 川合さん:
「令和になってから、もう一回行ってみようというお客さんがいらっしゃいますね」

Q.なぜもう一回行ってみようと思う人が?
「やっぱりいいものがあるということじゃないかなと思います」

■朝から並ぶお客さんも…人気の理由の一つはお値打ち野菜

 川合さんが人気の理由にあげたひとつが、「お値打ち」な野菜。

 袋一杯に入ったピーマンは14個入って100円、ナスは8本で120円、大きなトマトも4個で100円と、とにかくお値打ちです。(※値段は日によって異なります)

 商品のほとんどは地元の農家が、朝、収穫したばかりの野菜で、それをお値打ちに買えることが、人気の1つです。でも、なぜ、こんなにお値打ちなのでしょうか?

道の駅平成 川合さん:
「農家の方が自分の家で食べきれなくて、値段はごく安いと思います」

 自宅用に作り、もともとは売り物としていないため採算度外視。だから安いんです。

名古屋市緑区から来た女性客:
「名古屋市緑区からきました。採りたてみたいな感じでね、茄子でも。色が全然違うもん。いっぱい入ってて、値段も安い」

愛知県春日井市から来た女性客:
「毎週来ています。もっと買うよ、怒られちゃうもん店の人に。独り占めしないでくださいって。10年ぐらい(来続けている)。ここが第2の故郷」

 この野菜を求めて、朝早くから並ぶ人もいるそうです。

 野菜の他にも、名産の美濃白川茶や、米麹と醤油で漬け込んだ伝統の保存食・玉味噌が並びます。

■まだあった「平成グッズ」土産コーナー!しかし「異変」も…

 そして、お土産コーナーには…改元時に人気になった「平成グッズ」もまだ販売していました。中でも「平成最後の饅頭」。当時は完売するほどの人気ぶりでしたが今は…。

リポーター:
「平成最後の饅頭ありませんね。でも見てください、『平成でした』って書いてありますよ」

道の駅平成 川合さん:
「平成最後の饅頭が爆発的に売れたわけですけど、今度は平成でしたと名前を変えて販売しております。中身は一緒です」

 なんと「平成最後の饅頭」は、「平成でした」と名前だけを変えて売られていました。確かに饅頭は同じものです。しかし、この開き直りが受けているようです。

男性客:
「気になりますもちろん。さらに盛り上げていこうと、そんな感じに」

女性客:
「まだ今ならお土産に渡しても大丈夫かなと」

男の子:
「名前も面白いし、平成はどんなんだったかなってなる人もいるかんって思う」

 他にも、改元を逆手に取った商品がいくつかあり、このユーモアも道の駅平成の人気の理由のようです。

■人気の「しいたけかつ丼」は健在!“平成と令和をつなぐ” 新メニューの構想も

 そして道の駅平成で欠かせないものといえば、食堂で食べることができる、名物の「しいたけかつ丼」。お客さんの実に7割以上が注文する人気メニューです。

 平成(へなり)地区は、水と森に囲まれた立地から原木しいたけの一大生産地。その土壌で育つしいたけは、香りが良く肉厚です。

 この原木しいたけを看板商品にしようと、カサが大きなものだけを使い、インパクトを出しています。肉厚なしいたけはどんぶりの口をすっぽりと覆う大きさで食べ応えも十分。

男性客:
「こんな分厚いですからね。しいたけと言われないと普通のトンカツみたいな感じ」

 令和になっても、この人気に陰りはありません。しいたけそのものも販売していて、売り場に並べると、すぐに売り切れ…。今後も、この名物を推していきます。

道の駅平成 川合さん:
「しいたけカレー、そんなものを作りたいと考えています。カレーの上にしいたけをおいて、そこに橋を作るようなイメージです」

 さすが「道の駅平成」!使えるものは、使います!

■「道の駅平成」のもうひとつの“迷所”あの橋は今…

 そしてもう一つ、改元に合わせて作られた「幸せの架け橋」。両端には「平成」、「令和」の文字があり、当時、多くの人が平成から令和へと渡っていました。あの架け橋は今…。

橋を渡っていた女性客:
「幸せになりたくて渡ったんですけど」

Q.実際に渡ってみた感想は?
「これを跨いでみて?別に感動もなにもない」

Q.橋をどう思いますか?
男の子:
「岐阜の魅力が増える」

 改元から4か月、「道の駅平成」は、令和の時代に入っても繁盛していました。