東山動物園で飼われていたミシシッピワニ、名前は「ミッピー」です。ミッピーは今年5月に天国に旅立ちましたが、このミッピーのお腹の中から“大量の硬貨”が見つかりました。

 1964年の東京オリンピックの翌年、今から54年も前に東山動物園にやってきたミシシッピワニの「ミッピー」。

 今年5月、天寿を全うして天国へ旅立ちましたが、そのお腹の中から大量のお金が見つかりました。

 しかし、なぜミッピーのお腹の中に、どうして大量の硬貨が…。

獣医師・玉村太さん:
「飼育されている池にお客さんが投げ入れたコインを、ぱくっと。30年かけてこれだけ入れちゃったということです。トレビの泉じゃないですけど、水があると皆さん入れたくなるみたいで…」

 来園客がお賽銭感覚で投げ入れたお金を誤って食べてしまっていたミッピー。ワニを近くで見られる現在の展示方法になった30年ほど前からお腹に溜め込んでいたとみられています。

 どうしてミッピーは、お金を食べてしまったのでしょうか。

獣医師・玉村太さん:
「(硬貨が)水に落ちた瞬間に、魚かなんかだと思って反射的に口に入れちゃったのだと思います」

 神社の池に投げるように来園客が投げ入れたお金。ミッピーは、水の中でキラキラ光る様子を小魚と勘違い。間違って食べてしまった可能性が高いといいます。

 たくさんお金を溜め込んでいたミッピー。何枚あるのか数えてみると…あわせて350枚以上!重さは2.6キロにもなりました。お腹の中にこれだけの異物、まさかこれが原因でミッピーは…?

獣医師・玉村太さん:
「それ(お金の影響)で死んだというわけではないものですから…。老衰です。石はごく普通にワニは生理的に呑み込んでためこみます」

 もともと、石を飲み込んで、胃の中で食べた肉などをすりつぶして消化を助ける習性があるワニ。お金を食べてしまったことが死因ではありませんでした。

 しかし、ミッピーのお腹から出てきた硬貨を見てみると…。

(リポート)
「おそらく1円玉なんですよね。もう、1円玉ってこれではわかりませんね」

 黒く変色したり、胃酸で変形したりしているものも。自然界で食べる石ではなくお金は金属。ワニの体にどんな影響を与えるか分かっていないといいます。

 ワニにとっては迷惑なお賽銭。今も、7頭のワニを飼育している池に行ってみると…。

(リポート)
「柵には『硬貨やコインを投げないで』と随所に注意書きが貼られていますが、中を見てみると池の底にはいまだにコインが落ちています」

 池の中には、いたるところにお金が…。東山動物園は、お金を投げ入れる行為は、絶対にやめてほしいと訴えています。

東山動植物園・石川さん:
「お金を回収するのも水を入れ替えるのも、そんなに簡単には…。ワニは危険な動物なので、極力やめてほしい。もちろんご利益もここには全くないので、動物にとっても我々にとっても迷惑な行為ということなので、それを認識してやめてほしいなと…」