同じ紀伊半島にある三重県・奈良県・和歌山県の3県が、移住促進や関わりを持つ人の増加を目指します。今年11月から12月にかけて、この3県で他県の人がリモートワークをしたり、地元の事業や人と関わる実証実験型のプロジェクトが行われることになりました。10月10日正午まで参加者を募集しています。
■紀伊半島に移住!魅力体験のイベント
3県でつくる「紀伊半島移住プロモーション事業実行委員会」は、人口減少や地域の担い手不足を改善するため、移住促進や関係人口の創出を目指して2015年からこの事業を実施しています。
対象となるのは、三重県尾鷲市・奈良県下北山村・和歌山県田辺市の3つの地域。
各地域で全国から20人の参加者を募り、11月11日から12月6日までの間に、現地のコワーキングスペースで自分の本業に関するリモートワークを行うほか、地元の事業や人とも触れ合うプログラムも用意されています。参加する場合は、2泊以上の参加が必要条件となります。
これまでの事業では、紀伊半島への移住について広く知ってもらおうと、WEBでの配信や東京で交流イベントをするなどして情報を発信してきましたが、実際に移住に至ったかどうかが分からないことが課題となっていました。
実行委員会は、この課題を改善する企画を公募したところ、「カヤックLiving」が提案した「紀伊半島はたらく・くらすプロジェクト」を採用したということです。
「カヤックLiving」は、人材を求めている地域と、地方と関わりたいと考えている人をつなぐマッチングサイトの『SMOUT』を運営するなど、移住や地域と関わりを持つ人の創出に携わってきたため、そのノウハウに期待が寄せられています。
今回のプロジェクトは、地方での暮らしに興味がある人に紀伊半島に実際に来てもらい、現地でリモートワークをしたり、地域と触れ合ってもらうことで、「移住した場合の生活」や「移住しないまま地域と関わりを持ちながら暮らす生活」のイメージを具体的に持てるようにすることで、移住や関わりを持つ人を増やしたいとしています。
■三重県尾鷲市では「有形文化財」をコワーキングスペースに
三重県尾鷲市では、参加者がリモートワークを行えるよう、国の有形文化財に登録されている古民家、見世土井家住宅を期間限定でコワーキングスペースとして開設するということです。
また暮らしぶりを体験してもらうため、九鬼町の食堂「網干場」で、地元で水揚げされた魚のさばき方教室を開き、その場で食べてもらうプログラムが実施される予定です。
そのほかにも、地元に住むことや働くことを観点に、地域のキーマンが市内を案内するツアーが行われたり、熊野古道を地域の人たちと一緒に歩くイベントにも参加できます。
11月16日には、プログラムを通じて参加者や地元の人らが感じた、人口減少や地域の担い手不足の解決の糸口について話し合うイベントが開催されるということです。課題解決のための様々なアイデアが自由に出る場を作り出すことで、その後、参加者が自発的に集まり、解決策を実行してもらうきっかけづくりをすることも目的だといいます。
今回のプロジェクトの担当者は「地域と関わることに興味はあっても、一人ではどうつながっていくことができるのか分からないことが多いと思う。今回のプロジェクトが、そこから一歩踏み出すきっかけになれば」と話しています。
参加者の募集は10月10日正午まで行われており、株式会社カヤックLivingのホームページ上の専用応募フォームで受け付けているということです。
【開催日程】
三重県尾鷲市:2019年11月11日ー11月20日
奈良県下北山村:2019年11月19日ー11月28日
和歌山県田辺市:2019年11月27日ー12月6日
【参加条件】
・3地域のいずれかで2泊3日以上すること。
・参加者は、東京で行われる10月17日のイベントと12月19日(予定)の報告会に極力出席。
【募集人数】
・各地域で約20人、合計で約60人。応募多数の場合は抽選で決定。
【参加費】
・現地までの交通手段は各自で確保し、交通費は自己負担。
・現地での宿泊費(1泊3000ー6000円程度)のほか、参加中にかかる食費や現地での交通費、各プログラムへの参加(無料のものも有)は自己負担。
※画像提供:尾鷲市・尾鷲ヒト大学