東南アジア料理の外食市場はタイ料理を中心に拡大が続いていて、この6年で売上が10%伸びています。このブームに乗って、家庭用の商品も売れ行きも好調です。

■拡大のワケは…成長続く日本国内の東南アジア料理外食市場

(日本の東南アジア料理の外食市場規模の推移 調査・画像提供:富士経済 調査は2019年)

 市場調査会社の富士経済によりますと、タイ料理など東南アジア料理の外食市場は2012年に650億円だった売上が、2019年の見込みでは727億円、また店舗の数も1080店舗から約1350店舗に伸びるなど、年々拡大傾向にあります。

 2023年度には売上高が775億円、店舗数は1460店舗になると予測されていて、今後も堅調に推移するとみられています。成長の理由にはパクチーブームや、タイ料理のチェーン店が店舗数を拡大したことが挙げられています。

※2019年は見込み数値、2020年以降は予測数値。調査は2019年。

■家庭用商品も好調…三重県桑名市の食品メーカーが新商品を投入

 三重県桑名市に本社を置く総合食品メーカーの「ヤマモリ」は、東南アジア料理の外食産業の好調を受け、家庭でも手軽にタイ料理を楽しんでもらおうと、鶏肉をバジルで炒める「ガパオ」の合わせ調味料を2011年に発売。商品をリニューアルし、2018年には売上高が2016年の4倍にまで伸びました。

 ほかにも「グリーンカレーの素」や「カオマンガイの素」など、5種類のタイ料理の合わせ調味料「タイクック」シリーズを販売、今月18日には新たに「トムヤムクンの素」を投入して販売強化を図っています。

「ガパオの素」の売上が伸びた理由についてヤマモリは、好調な外食産業に比例したことや、手軽に鍋やフライパンだけで調理でき、本格的な味や手ごろな価格が支持されているのではないかと分析しています。

■どれくらい手軽なのか…ヤマモリの「トムヤムクンの素」

 トムヤムクンは、唐辛子の辛味やレモングラスなどの酸味を生かしたスープに、エビや野菜などを煮込んだもので、日本でも定番のタイ料理として根強い人気があります。

 ヤマモリの新商品「タイクック トムヤムクンの素」は、鍋にトムヤムクンの素と水を入れて、エビとエリンギを加えて煮込み牛乳を入れて完成、調理時間は約10分。価格は税込みで216円です(内容量90グラム)。

 これから冬を迎えるにあたり、商品担当者は「トムヤムクンの素に白菜と豚肉を入れたアレンジ鍋もおすすめです」と話していてます。商品は、主に関東や東海、関西の一部のスーパーのほか、インターネットでも買うことができます。