三重県熊野市でボルダリング大会が開かれましたが、この大会で登るのは人口の壁ではなく、「自然の岩」。大会に出場した愛知県の女子高校生を取材しました。
ほぼ垂直な岩肌を少しずつ登っていく女性。左手を伸ばした、次の瞬間…高さ2mから落下しますが、無事下のマットに着地。しかも、すぐに笑顔を見せます。
そして何事もなかったかのように次の岩に挑戦すると…てっぺんで笑顔。
18歳の本多由梨奈選手、愛知県岡崎市の高校3年生です。
本多選手:
「岩に立った時の達成感がやっぱり、みんな言うんですけどそれが一番だと思いますね」
そんな本多選手が参加したのは、三重県熊野市の山中で開かれたボルダリングの全国大会。「ボルダリング」を含む「スポーツクライミング」の日本代表候補・野中生萌選手が発起人となって開催。全国から予選を勝ち抜いた17チーム、51人が参加しました。
野中選手:
「力をかけていくごとに脆くなっていく部分も実際あって、それが自然の岩の怖い所ではあるんですけど。太陽を浴びながら山の中でのびのびとクライミングをする、この(ボルダリングの)原点に戻ってきている感じがしてすごく楽しいです」
今回、野中選手はゲストとして参加。山からせり出した大きな岩にチャレンジします。腕だけでぶら下がると…そこからジャンプ!岩に吸い付くように登っていきます。
野中選手の登った岩、よく見ると、あるのは指を掛けるのもやっとの“くぼみ”だけ。さらに、自然の岩は滑りやすいものもあるため、トップ選手でも登るのは難しいといいます。
そんな大会の中で一際明るく登っていたのが、本多選手。
この大会では、様々な岩を何回登ったかをチームとして競うため、チームのリーダーとして社会人の男性2人と参加しました。次々と険しい岩に挑戦していると、その目の前でハプニングが…。
なんと岩が崩れ、別のチームの選手が落下。幸いケガはありませんでしたが、現場には緊張感が走ります。
それでも、本多選手は果敢に同じ岩にチャレンジ。しかし、どうしても途中の難所が越えられません。攻略法を仲間で相談すると、チームメイトの鈴木選手が両手を一瞬離して真横に移動。しっかりと岩を掴み、見事登り切りました。
鈴木選手:
「あーいや死ぬかと思いました。足ブルブルして」
登り方を相談したり、励まし合ったり。抜群のチームワークで次々と登っていく本多選手たち。3時間で22回登り、見事優勝しました。
本多選手:
「どんな課題でもみんな楽しんでやってて、すごい良い顔してたんで、それが良かったなっていうふうに思ってます。来年もまた出て同じ場所で戦いたいです」