災害時に有用な技術や、防災に関する資料を紹介するイベントが5日、名古屋で開かれました。
名古屋駅近くのビルで行われたイベントには、災害時に有用なシステムや情報などを提供する25の企業や行政機関、団体が出展しました。
東京の「Spectee」は、ツイッターやインスタグラムなどのSNSにあがった情報を瞬時に収集するシステムを紹介。
画像などからAIで情報を分析し、リアルタイムで配信されるため、災害時の状況把握などに活用されています。
自治体やメディアのほか、インフラ企業など300社以上が導入しているということです。コストは導入で30万円、3アカウントが1セットで、月額15万円からです。
静岡県浜松市の「アバンセシステム」は、災害発生時にLINEを使って関係者の安否情報をまとめるシステムを扱っています。
システムは静岡大学と共同で開発。LINEで安否確認のメッセージを配信。
受信者が回答するとウェブ上で全体の状況がデータ化され、把握することができます。
こちらの導入コストは2万5千円から、年額で6万1560円からで、学校や病院などすでに300社以上が導入しているということです。
またUSEN-NEXT GROUPの「USEN」は、災害時の外国人に対するアナウンスに着目。
日本語がわからない外国人に災害時に取るべき行動を伝える方法については、課題が指摘されていますが、タブレットのアプリを使って避難行動や注意など、様々な情報をアナウンスすることができます。
地震や台風など9つのカテゴリーに分かれていて、まずは日本語で2万6000の文言を組み合わせてアナウンスの内容を決定。
すると、英語・中国語・韓国語の3カ国語に自動で変換され、あとはタブレットから流れる音声を放送用のマイクにあてて発信します。
商業施設や宿泊施設などで導入されていて、初期費用が10万5000円、月額料金は1万2000円からです。
こうした企業のほか、イベントには研究機関なども出展。愛知工科大学の板宮研究室の展示はVRで地震を疑似体験する技術です。
ゴーグルを覗くと学校の教室で地震が発生した映像が流れ、災害の恐怖が伝わってきます。防災意識の向上などに活用されているということです。
そして、「災害の過去」の資料を後世に残していく機関も。
東京の「防災専門図書館」は、60年前に起きた伊勢湾台風の資料を中心に展示。
発生から4日経った1959年9月30日に撮影された航空写真は浸水した部分がはっきりとわかり、被害の大きさを物語る1枚です。
担当者は、過去の災害を未来の災害対策に役立ててほしいと話していました。