9日に閉会した国会。「桜を見る会」の問題もあやふやなまま幕引きとなりそうな中、かつて民進党から分裂した二つの党、立憲民主党と国民民主党が再び“合流”しようという話が持ち上がっています。
かつて袂を分かった二つの党の間にはそれぞれの思惑が交錯。すんなりとは行かないようです。
9日、閉会日を迎えた臨時国会。
「桜を見る会」を追及するため40日間の会期延長を求めた野党に対し、政府提出の法案の大半が成立したとして、与党はこれを拒否。結局、国会は与党の主張通り、閉会しました。
強い与党に対し、少数勢力が並び立ち、対峙する力に欠ける野党…。状況を打破しようと立憲民主党の枝野代表が呼びかけた内容が…。
立憲民主党 枝野代表:
「安倍政権に代わって政権を担いうる政党を築き上げ、次期総選挙での政権交代を現実のものとするため、会派を共にする皆さんに立憲民主党と共に戦っていただけるようお呼びかけをいたします」
実現すれば“旧民主党勢力の再結集”となる合流への動き。かつて「王国」と呼ばれた愛知の有権者に話を聞くと、繰り返される離合集散に戸惑いを隠せない人や、中には変わりすぎて党の名前がわからないという人も…。
有権者の関心が今一つなのに対し、一大事なのが両党に所属する国会議員。
国民民主党 牧衆院議員:
「元々僕らは一緒にやるべきだったのが、いろんな運命のイタズラでバラバラになっただけの話ですから。落ち着くべきところに落ち着かなきゃいけない」
地元の忘年会で合流に向けて積極的な姿勢を示したのは国民民主党の牧義夫衆院議員。
牧衆院議員:
「野党がバラバラでいくら与党がひどい政治を行ってても、それに代わり得る政権の受け皿がないという、ホントに私たちの責任であります。1日も早く1つの政党にまとまらなければ、次の衆議院選戦えない」
2017年の総選挙では選挙区で敗れ、比例復活当選した牧議員。支持率が1%台と低迷する国民民主党の看板では選挙に勝てないと、合流に前向きです。
しかし同じ党内であっても、決して一岩というわけではありません。
国民民主党 関衆院議員:
「『私たちのところに入りたい人はおいで』と、(立憲民主党の)党名、政策、人事、今のまま国民民主党をつぶしておいでというのは、私はできません」と話す東海比例ブロック選出の関健一郎衆院議員。
合流自体は必要だと考えていますが、立憲民主党が国民民主党を吸収する形での合流を目論んでいることに反発しての発言です。
一方、その合流の主導権を握る立憲民主党の議員は…。
週末に開かれた忘年会で支援者に状況を説明する立憲民主党の松田功衆院議員。
党の創設から関わった松田議員は支持率が低い国民民主党との安易な合流は、支持者離れにつながると警戒感を隠しません。
松田衆院議員:
「立憲民主党を作ってきた者からすると、理念や施策を曲げることなくしっかり貫いていくことが、今支持をいただいている方の思いだと思いますし、皆さんが『また元に戻るのか』とか、そういう誤解を与えるようなことは絶対避けた方がいい。ブレたように映らないようにしなければいけないということです」
「筋を通す立憲民主党」というイメージを崩さず、あくまで国民側が立憲の政策などに歩み寄って果たされるべきと考えています。
それぞれの立場で、かつて考え方の違いから袂を分かった立憲民主党と国民民主党。
再び一つになって有権者の理解と支持を得るためには、越えなければならないハードルはまだまだ高そうです。