ノーベル化学賞を受賞した名城大の吉野彰教授の研究でも知られているリチウムイオン電池。身の回りの様々な製品に使われていますが、処分の方法を誤ると火災など深刻な事故を招くおそれがあります。その正しい捨て方とは…。
■今や日常生活に欠かせない「リチウムイオン電池」…処分の方法を知っていますか?
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スマートフォンの充電に使うモバイルバッテリーからコードレス掃除機まで、今やあらゆる家電製品に使われているのがリチウムイオン電池です。ところでこのリチウムイオン電池、使えなくなった時にどう処分すればいいのでしょうか。街で聞いてみると…?
女性:「えー、知らないです…」
別の女性:
「捨ててくださいと言われたら燃えないゴミ?」
男性:
「燃えるゴミは多分アウトだと思うので、燃えないゴミですかね」
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実は、リチウムイオン電池は原則、不燃ゴミとして出してはいけません。
■誤って捨てると大きな火災に繋がることも…不燃ゴミ処理中の炎の検知件数が急増
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名古屋市環境局提供の実験映像を見ると、ゴミ収集車から突然炎が…。収集車の中でスマートフォンが破壊されると直後に発火する様子が再現されています。
今、こうしてリチウムイオン電池が、ゴミとして誤って捨てられたことが原因による火災が相次いでいます。
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去年11月、愛知県一宮市のゴミ処理施設「リサイクルセンター」の3階から出火。黒い煙が激しく立ち込め、職員一人が軽いやけどをしました。
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不燃ゴミを処理するラインは発生から2か月近く経つ現在も再開のめどが立っていません。この火災も…。
一宮市環境部 高味施設管理課長:
「リチウムイオン電池等が、発火の原因につながったひとつと思っております」
圧力をかけると発火する危険が高まるリチウムイオン電池。
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一宮市によると現場の燃え方がひどいため、断定はできないものの、不燃ゴミとして捨てられたリチウムイオン電池が機械で破砕された際、出火したのが原因とみられています。
一宮リサイクルセンターで不燃ゴミの処理中に炎を検知した件数は、3年前から急増。現場を職員が確認するとリチウムイオン電池から炎がでたとみられるケースが多くあるといいます。
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リサイクルセンターの一角に積み上げられた不燃ゴミの山。現在もおよそ400トンが処理できないまま保管されています。実際にリチウムイオン電池を使った製品も多く混ざっていて、ゴミとして処理されないように仕分けられていました。
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同・高味課長:
「(Q.リチウムイオン電池が混ざっている場合もある?)混ざっている場合がありますので、作業員が人力でピックアップしています」
■家電量販店などでリチウムイオン電池の無料引き取りサービスの利用を
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では要らなくなったリチウムイオン電池を処分する時、どうすればいいのでしょうか。
(リポート)
「多くの家電量販店にはリサイクルボックスがあり、ここでリチウムイオン電池を回収しています」
家電量販店にある「リサイクルボックス」。ここで不要になったリチウムイオン電池を引き取ってくれます。
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エディオン名古屋本店 大宮フロアマネージャー:
「お買い物であったりとか、別のご用件の際についでに持ってきてくださることがほとんどです。(ボックスに入らない)大きな製品は既定の保管場所でお預かりしますので、店頭で回収をさせていただいています」
こうしたリサイクルボックスは、一部の大型ショッピングセンターや環境事業所などにあり、引き取りは無料です。
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正しく処理することで防げるリチウムイオン電池による火災。利用が広がる中、私たち消費者も意識を改める必要があります。
■リチウムイオン電池のタイプ別処分方法
▼モバイルバッテリーや製品から取り外せるタイプのリチウムイオン電池
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→家電量販店などのリサイクルボックスへ
▼スマートフォンやゲーム機、ビデオカメラなど分離タイプ
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→「小型家電」を回収する専用のボックスを設けている自治体があるためHP等で確認を。販売した量販店などが無償もしくは有償で引き取る場合もあるため、不明の場合は店に相談を。