愛知県の職員が保護した高齢の男性を、公園に残したまま立ち去っていた問題。その経緯は驚くべきものでした。
事のきっかけは、愛知県大治町のスーパーのATMにいた70代の男性を、愛知県警津島署の警察官が保護したことでした。男性は身元不明で、会話ができない状況でした。
その後、保護した警察官は男性を海部福祉相談センターの職員に引き継ぎます。センターの職員は、受け入れ先を探したものの、見つけることができませんでした。そして、消防などに病院搬送の依頼をしましたが、救急搬送の必要がないと拒否されたということです。
困った福祉センターの職員は、管轄外の名古屋中村区の公園へと男性を連れていき、公衆電話から偽名を使って119番通報。そして、男性をひとり公園に放置して姿を消していました。
置き去りにされた男性は、通報を受けて駆け付けた名古屋市の救急隊員に保護されましたが、この時、夜中で雨が降っていたということです。
この問題について愛知県が会見し、職員が警察に「男性を見失った」とウソの説明したことについて上司からの指示だったと説明しています。
また、男性を公園に置き去りにした理由について職員は「男性がふらついた状態で歩くなど体調が悪く、医療機関に届けるべきと判断したから」と話しているということです。
職員らは男性の親族に事情を説明した際や警察から事情を聴かれた際も、うその説明を続け、警察に対し事実を明らかにしたのは、問題があった10日余り後の1月28日になってからだったということです。