新型コロナウイルス感染防止のためのマスクの着用や入念な手洗い。今や生活習慣になっていますが、そのマスクや手洗いが肌荒れにつながるケースが増えています。
感染拡大を抑えるためには欠かせない習慣ですが、我慢すると悪化することもあるだけに、ケアが必要のようです。
名古屋市熱田区にある白鳥皮フ科クリニック。取材にお邪魔した日、多くの患者さんが訪れていました。皮膚科と新型コロナウイルス、一体どんな関係が…。
母親:
「(医師に対して)今日はちょっと(娘に)ニキビができて、毎日マスクしているせいでなかなか治りが悪い」
中学1年生の女の子は、マスクを毎日つけていたら、顔にニキビができてしまったそう。
白鳥皮フ科 林院長:
「やはりマスクをする人とか手を洗うことが多いので、それに対するトラブルが増えていると思います。マスクをするということになると、擦れることによってニキビが増えるとか、蒸れたりすることによって顔に湿疹ができる」
感染予防には欠かせないマスクの着用。できる限り隙間を作らないようにぴったりと覆うと、肌と擦れ合って肌のバリア機能が低下。
ここに細菌が入りニキビができやすくなり、さらに蒸れることで治りが悪くなるというのです。
マスクだけでなく、手洗いによる肌荒れに悩む患者さんも。
患者:
「手が最近荒れるようになっちゃって、かゆみも出てきちゃったので診てもらおうかなと思って。やっぱりよく手を洗うようになりましたし…」
化粧品が原因で手にできた湿疹が、手洗いやアルコール消毒でさらにひどくなってしまったとのこと。
同・林院長:
「手を洗う率が増えてしまったのと、アルコールを使うことによって脱水を起こすので、手荒れのトラブルが増えています」
こうした手荒れは、例年空気が乾燥する時期が終わる春になると減るそうですが、今年は新型コロナの影響で3月になってから患者が急増しているといいます。
同・林院長:
「当病院も1日10人ぐらいはそういう患者さんが来ている状況です。小さい子が特にアルコールを使っていて荒れてくる子が多いですね。手を洗わなきゃいけないので、回数はしょうがないと思いますので、あまり温かいお湯を使うと脱脂してしまうので、なるべく低い温度で洗ってもらえれば」
その上で手洗いの後はハンドクリームなど保湿剤を塗ることを林先生は勧めていて、ひどい場合は我慢せず病院で診てもらってほしいと話しています。
手洗いによる肌荒れは指先にも…。
名古屋市内にある女性専用のネイル・ハンドケアサロン。手荒れを気にして訪れる客が増えているそうです。
客:
「荒れてますね。指の腹とか手の平とか爪の周りとかすごい乾燥しちゃってるので」
サロンの担当者:
「やっぱり消毒・手洗いが多いので、いつも以上に乾燥されてるのを気にする方が多いのと、保湿のコースがありますので、保湿をメインにしたコースを受けられる方も多いです」
手や爪の保湿用のオイルは2倍近く売れているとのことです。
感染を抑えるために欠かせない「マスクの着用」や「入念な手洗い」。感染防止の対策に加えて上手な肌のケアが必要です。
※トップ画像は白鳥皮フ科クリニック提供