新型コロナウイルスの影響で今、バターが不足しています。長引く巣ごもり生活で、家でお菓子作りをする人が増えているのが理由だといいます。しかし、学校給食は中止となり、生乳は余っているなかで、なぜバター不足が解消されないのでしょうか。
名古屋市に住む女性と娘の4歳の女の子。保育園が休園となり、親子でお菓子やパン作りをして過ごしました。
この日はホットケーキに挑戦!女の子が冷蔵庫から取り出したのはバターです。切り分けたバターを電子レンジで溶かし、丁寧に混ぜ合わせ作っていきます。
彩実ちゃん:
「完成です!(食べて)おいしい!」
次はどんなお菓子を作ろうかと楽しみにしている女の子。でもお母さんにはちょっと心配事があります。
母親:
「バターをいっぱい使うので、ないと困りますね。自転車で3カ所くらい探した時もありますね」
実は今、お菓子作りに欠かせないバターが品薄になっています。
SNSにも悲痛な叫びが…。
<SNSの投稿>
「今週もバター欠品なんだけども!!」
「どこにいってもバターが売ってない」
名古屋市内のスーパーでも、バター売場は一部欠品している商品がありました。マーガリンやチーズなどは豊富に揃っていますが、バターの棚だけは一部空いているところも。
スーパーの担当者:
「今、学校が休みというのもあって、(バターの)需要もちょっと高まっていて、少ないのがあると思いますね。いろいろお菓子とかを作られていると思うんですけども、その兼ね合いだと思います」
巣ごもり生活で、お菓子作りをする人が急増。業界団体によると、4月下旬の家庭用バターの売上は、普段より6割から7割増えたそうです。
しかし、一斉休校で給食用牛乳の行き場がないことが問題になっているのに、生乳が原料のバターがなぜ品薄なのか。
業界団体によりますと、バターには「業務用」と「家庭用」の2種類があり、今回不足しているのは家庭用のバター。
普段は業務用のほうが家庭用よりも圧倒的に需要が多いところが、新型コロナの感染拡大で急激に家庭用の需要が増えたといいます。
しかし、業務用とは製造工程が違うため、生乳が余っていても簡単に生産設備を家庭用にシフトすることができないそうです。
今後については、業界団体では、「かつてバターが不足したときは酪農家が減少し、生乳の生産確保ができずに起きたが、今回はしっかり生乳生産が増産基調で、必要な分だけ購入いただければ改善に向かうと考えている」と話しています。