名古屋市昭和区で、去年から3回も立て続けに同じ住宅に、金銭目的の男らが侵入される被害がありました。しかも、その3回の犯人はそれぞれ違うとみられています。
なぜ、同じ住宅ばかり狙われたのか。そこには、私たちも気をつけなくてはいけない驚きの理由がありました。
住宅の前に停まった黒い車、降りてきたのは黒ずくめの2人組。
侵入するために使うのか、工具のようなものを手にしています。そして、かがみながら敷地内へ。
これは名古屋市昭和区の住宅に設置された、防犯カメラの映像。今年3月に起きた、窃盗未遂事件の様子を捉えていました。
被害にあったのは80代の男性です。実は「今回が初めての被害ではない」といいます。
被害にあった男性:
「昨年の6月5日のことですね。刃物を右手に持って『金があるだろう』と。1回目ですから、これがね。それから続いているから、2件ね」
なんと男性宅には去年6月から1年間に、見知らぬ男が押し入り現金を要求するなどの事件が、3件も相次いでいました。
最初は去年6月でした。裏庭で作業をしていた男性、物音に気付き振り返ると、勝手口には黒ずくめの男が立っていました。
被害にあった男性:
「犯人が立っていて『中に入れ、中に入れ』と。刃物を持ってこうやってるもんですから、これはいかんなということで」
実はこの直前、男性の妻が寝室で寝ていたところ、黒ずくめの男が侵入。刃物を突きつけ、こう脅していました。
<黒ずくめの男>
「金があるだろう」
その後、男は妻を引き連れ裏庭へ。男性が気づいたときには、男の右手には刃物、左手は妻をつかんだ危険な状態だったのです。
被害にあった男性:
「人質を取られとるから、ちょっとやばいなってね。大声で『強盗だ!』って言ったら、バーッと逃げて行った」
幸い夫婦にはケガはなく、何も奪われませんでした。しかしその後も、今年1月には2回目の被害に。
被害にあった男性:
「(妻が)『お父さん、お父さん』と呼ぶから、なんだろうなと思ってそっちに出て行ったら、(男が)立っていた」
妻が呼ぶ声が聞こえ、男性が駆けつけると、玄関にまた、見知らぬ「黒ずくめの男」が立っていました。
被害にあった男性:
「(男は)もじゃもじゃ言っているんだけど、何言ってるのか分からなかったんだけどもね。『110番するぞ!』って言ったら、バーッと逃げちゃった」
そして、3回目は…あの黒ずくめの男たちが侵入した事件です。
度重なる被害を受け防犯カメラを設置したところ、今年3月、黒ずくめの2人組が侵入する様子が映っていました。しかし、侵入に時間がかかったためか、男らは何も盗らず逃走。
去年6月、今年に入って1月、そして3月。一体なぜ、男性の住宅は3回も狙われたのでしょうか。容疑者の逮捕で、その驚くべき理由が明らかになります。
警察は今年1月の2回目の事件を巡り、住居侵入の疑いで京都市の塗装工・村田涼被告(25)と、宇治市の土木作業員・柏木良太被告(24)の2人を逮捕。その後、2人は起訴されました。
2人が男性宅に押し入ったきっかけ、それは…。
<逮捕された男>
「ネットの掲示板で男性の家に大金があると知った」
インターネットの掲示板に、男性の自宅に大金があると書き込まれていたと供述したということです。
過去に、高級家具や美術品などの仕入れ・販売をしていたという男性。時には、数百万円の品を扱うこともあったといいます。
被害にあった男性:
「捕まった犯人が、『(家の)2,3番目の部屋に、黒いかばんに500万とか1000万とかが常時置いてある』みたいなことを(警察に)言ったらしい。ということは、そういう発信している者がいるということじゃないですか。(Q.実際には現金は?)ないです!」
捜査関係者によりますと、男性宅で起きた3回の事件はネット掲示板を見た、いずれも異なる男らが県外から訪れ、犯行に及んでいたとみられるといいます。
警察は現在も、去年6月と今年3月に男性宅に侵入した男らの行方を追っています。
被害にあった男性:
「現金は置いてないから、来てくれても無駄だから来てくれない方がいいよと。早かれ遅かれ捕まるから、止めた方がいいよと」
1年のうちに3回もの被害に遭った男性。自宅には催涙スプレーや木刀などを用意し、「また被害にあうのではないか…」そんな不安を抱えながら暮らしています。