今年は新型コロナウイルスの影響で、レジャーも下火。そんな中、キャンプ用に開発された商品が対策に役立つと、医療機関などから注目されています。
愛知県東郷町にある車の展示販売場。その一角に真っ白なかわいらしいドーム型の物体が…。
その名も「イージードームハウス」。
乗用車2台分のスペースがあれば、大人2人で電動ドライバーを使い、90分程で「イージー」に完成させることができます。
元々はキャンプ用に作られましたが、今は別の形で引き合いがあります。
ホワイトハウスの広報担当者:
「新型コロナウイルスを防ぐためにですね、医療現場からお問い合わせをいただいています」
4月は100件以上の問い合わせがあり、東京の病院や山梨の診療所など、全国の医療現場で30基ほどが既に導入されています。
発熱の症状がある外来患者を一般の受診者と分け、診察するための施設として、購入されることが多いといいます。
ドームの外壁は、化学防護服にも使われる高密度ポリエチレン。雨や熱などにも強い素材で、簡単に水洗いもできます。
中に入ってみると…。
(リポート)
「防音といいますか、音がほとんど外から入ってきません。ちゃんと窓があるので、通気もできるようになっています」
外気を遮断するだけではなく、換気を良くするため入口のほかに窓が3カ所あり、天井には空気を循環させるファンも…。
4畳半のスペースがあるため、山梨の診療所では、診察用の机とベッドを1台ずつ置いて使用しています。
取材したこの日は、岐阜県下呂市の職員が、注文したドームを引き取りに来ていました。
下呂市の職員:
「今回、下呂市役所のほうで管理しているキャンプ場に、このドームハウスを導入する方向で話を進めていたのですが、今回のコロナ対策で医療機関の方でも活用できないかと」
元々は、市が管理するキャンプ場での使用を考えていましたが、市内で感染者が出た場合は、医療機関で使うことも検討しているといいます。
さらに、これからの季節懸念されるのが、ゲリラ豪雨や大雨などの自然災害。
災害時に、避難所などで集団感染が発生しないよう、今後は自治体などにも導入を働きかけるということです。
価格は1基85万8000円で、耐用年数は約15年だということです。