一緒に暮らし、同じホストクラブに通う遊び仲間だった3人。しかし去年2月、当時31歳だった犬飼幸子さんが遺体で見つかり、石川一代被告と門田典子被告が犬飼さんを死なせ遺体を遺棄したなどの罪に問われています。
3人の女の間で一体何があったのか、初公判で語られた事件の真相とは…。
稲沢市の門田典子被告(38)、名古屋市中区の石川一代被告(35)、そして死亡した犬飼幸子さん(当時31)。ホストクラブの遊び仲間で起きた事件。
<検察側>
「手足を針金で縛ったりして衰弱させた上、暴力で死に至らしめた」
初公判の法廷で語られた事件の真相とは…。
去年2月、豊田市の山中で犬飼さんは遺体で見つかりました。
知人の通報をきっかけに、遊び仲間の石川被告と門田被告が死体遺棄の疑いで逮捕され、その後、暴行を加え死なせた傷害致死や、犬飼さんの口座から現金13万円を引き出した窃盗の容疑でも再逮捕されました。
3人は風俗店の仕事を通じて知り合い、一緒にホストクラブに通う遊び仲間。被告を知るあるホストクラブの代表はこう証言します。
2人が通っていたホストクラブの代表:
「日常的に暴力を振るっていたのが石川なので。主従関係にあるというか、石川が絶対的上位という感じがありましたけど。もともと門田の方が主従関係にあって、それより後に来た被害者の方(犬飼さん)がターゲットにされたというか、門田は上手く抜けた」
複数の関係者によりますと、当初、石川被告が門田被告に日常的に暴力を振るっていて、その後仲間に加わった犬飼さんにターゲットは変わっていきました。
3人を知るホストクラブの男性:
「(石川被告と門田被告が)幸子を普段からいじめていたみたいな。裸でベランダに立たせたりとか、気に食わないことがあると暴力とかで従わせていた。完全に奴隷みたいな感じ」
犬飼さんは暴力を受けても、石川被告の中区のマンションで3人で生活をしていたといいます。そして事件は起きました。
22日の裁判員裁判の初公判で検察側は、冒頭陳述でエスカレートしていった暴行についてこう指摘しました。
<検察側>
「2人は犬飼さんを真冬にベランダに放置したり、手足を針金で縛ったりして衰弱させたうえ、暴力で死に至らしめた」
検察側によると石川被告と門田被告は、犬飼さんを風俗店で働かせて収入を得ていて、金額が少ないと虐待を繰り返していたといいます。
検察側は犬飼さんが漏らした「逃げたい」というひとことに、石川被告が激高。暴行を加え死亡させたと主張しました。
3人の中で出来た主従関係で暴力がエスカレート、事件につながっていったのでしょうか。
一方、裁判で2人の被告は傷害致死の罪について…。
<石川被告>
「やっていません。(遺体を)運んでしまったが罪になるとは思わなかった」
石川被告は傷害致死の罪について否認。また、遺体の遺棄や現金引き出しの行為は認めたものの、いずれも罪になる認識はなかったと主張しました。
<門田被告>
「暴行は認めるが、それが死につながるものではないと思った」
門田被告は死体遺棄と窃盗の罪は認めました。石川被告の弁護側は、暴行と死亡に因果関係はないと主張。門田被告の弁護側も「死に結びつく暴行はしていない」と訴えました。
判決は7月13日です。