新型コロナウイルスの影響で今年は学校の夏休みが短縮し、子供は暑い中、学校に通っています。子供の暑さ対策と感染症予防に注目されているのが「日傘」です。実はこの子供用の日傘は、名古屋発祥でした。
■広がる「傘差し登下校」…炎天下を登下校する子供たちが熱中症と新型コロナ感染を「日傘」で対策
連日、暑い日が続く東海地方。晴天となったこの日、愛知県豊田市の小学校では、傘を差して登校する子供たちの姿が…。
新型コロナウイルスの影響で、今年は学校の夏休みが短縮され、子供たちは炎天下を登下校するため、熱中症が心配です。
そこで、この学校が始めたのが、「傘差し登下校」。その名の通り、日傘をさして登下校をしています。
女の子:
「熱中症対策にもなるし距離も開けられて便利だけど、手が疲れます」
男の子:
「すごく日陰ができて涼しくて良かったです。距離が離れているので、(傘差し登下校するときは)マスクしてなくても大丈夫なので外しています。」
傘差し登下校は、この学校を皮切りに、暑い街で知られる岐阜県多治見市や埼玉県熊谷市など、全国に広がっています。
■通常の傘の「約6倍」の売れ行き…デパートに問い合わせ相次ぎ急遽入荷
そのため、「子供用の日傘」が人気です、「ジェイアール名古屋タカシマヤ」8階の売り場では…。
子供用の日傘、2750円。子供が持ちやすいようにと、雨傘よりも一回り小さめになっています。折り畳み傘もあり、雨傘としても使えるので、とても便利です。
傘の骨の部分には、柔らかく折れにくい素材が使われていて、子供には安心です。
ジェイアール名古屋タカシマヤ・こども用品売り場の担当者:
「雨傘が1本売れるのに対して、5,6本くらいは日傘が売れております。」
タカシマヤでは、子供を持つ親からの問い合わせが相次ぎ、6月中旬に急遽、入荷を決めたといいます。
女性客:
「なんか学校から日傘を持ってきてくれって。ちょっとおしゃれなものを(孫に)買ってあげようかなと思って見に来たんですけど」
別の女性客:
「子供のうちから紫外線とかね、また今コロナということもあるから、そういうソーシャルディスタンスのことも考えたらね、いいと思います」
マスクを付けると、体に熱がこもりやすく、熱中症の危険性が高まるといいますが、日傘だと、直射日光を避けるだけでなく、周りの人と一定の距離を取ることができ、「暑さ対策」と「感染症予防」が一石二鳥と話題を呼んでいます。
■熱中症と新型コロナ対策の「一石二鳥」…子供用日傘はこの夏の必須アイテムに
この子供用の日傘、実は名古屋生まれだそうです。
子供用の日傘を製造・販売する名古屋市中区の「小川」。創業87年の傘メーカーです。傘や雨合羽など、およそ1000種類の雨具を販売しています。
小川の営業担当者:
「2018年ごろ、猛暑があって熱中症の事故がすごく多くなりましたけれども熱中症対策に子供用というところで日傘を開発し、昨年度より発売しました」
子供用の日傘は、2018年の夏の記録的な猛暑をきっかけに開発を始め、去年4月に国内で初めて発売。
小川の営業担当者:
「最初は反対意見も社内でもありましたけれども、私たちの会社はちょうど(子供が)小学校1・2年生になるお父さんお母さんがたくさん在籍しているので、その意見を交えながら会社全体で作り上げました」
暑さ対策に、感染症予防が重なり、3か月で4000本以上を販売。去年の夏に比べ、40倍もの売れ行きだといいます。
小川の営業担当者:
「子供さん同士の距離を保つということと、熱中症対策という2つの対策によって、ニーズは非常に多いんじゃないかなと思います」
暑さ対策と感染症予防に役立つ「子供用の日傘」。この夏の必須アイテムになっています。