新型コロナウイルスの感染を確認する方法の1つ、PCR検査は、最も精度が高い検査方法だとされています。検査は保健所が必要だと判断した場合に、行政が費用を負担して行われますが、希望する場合は自費診療で受けることもできます。名古屋のクリニックを取材しました。

 名古屋市昭和区の「いつきクリニック石川橋」は「自費診療」でのPCR検査を行っています。

防護服に身を包み、院長が向かったのは、クリニックの裏にある駐車場です。

 接触を最小限にするため、ドライブスルー方式を採用。完全予約制で検査を受ける人は駐車場で待機して車に乗ったまま移動します。医師はわずかに開けた窓の隙間から、長い綿棒を差し込んで検体を採取します。

 採取された検体はウイルスが漏れないように密閉し、その日のうちに民間の検査会社に回収され、早ければ翌日にも結果がわかるといいます。名前などを確認して検査を終えるまでの時間はわずか1分ほどです。

簡単な検査ですが、検査を増やすには高いハードルがあります。

佐藤院長:
「PCRというのは、遺伝子を増幅させるというちょっと特殊な技術が必要な検査ですから、これはもともと非常に高価な検査ですよね、やっぱり高いですよね」

 
 このPCR検査の費用は3万円。保健所の指導のもと、行政が費用を負担する「行政検査」は、感染者の濃厚接触者と保健所が判断した場合などに限られているため、自主的に検査を受けるには希望者が費用を100%負担することになります。

 高額な検査費用を払ってPCR検査を受ける人には、どんな理由があるのでしょうか。

食料品関係の会社で働く女性:
「一応念のため、会社から受けるようにということでした」


 食料品関係の会社に勤める女性は、会社で感染者が出たため、念のため検査を受けるように会社から指示をされたといいます。

Q.検査は高額ですが?

女性:
「(自費だと)ちょっと高いので無理かと思います」

佐藤院長:
「陰性であるということの証明がという欲しいという方が多くて、例えば外国に出張へ行くときに、PCR検査が陰性である証明がないと外国へ行けない、そういう人たちの要望が多くて、PCR検査を有料で始めたということがきっかけですね」

 PCR検査でこのクリニックを訪れる人には、出張で海外を訪れるために取引先から陰性の証明を求められる人や、学生で過去に発熱などの症状があり、PCR検査の証明がないと学校にいけない人などがいるといいます。

 3万円と高額な自費診療のPCR検査ですが、佐藤院長は感染拡大を防ぐために一定の効果があると指摘します。

佐藤院長:
「結局、今までPCR検査があまり簡単にできなかったが故に、感染が広がってしまったという可能性もありますから、PCR検査を行政検査だけでは絶対カバーできませんので、自費でPCR検査をやることによってコロナ感染者を見つけやすくなりました」


 いつきクリニック石川橋では、8/3から8/20までの間に約80件の検査を実施したということです。

 なお、発熱など症状があったり、2週間以内に感染者と濃厚接触している人は検査を受けることはできません。保健所に連絡してください。また、検査キットの入荷待ちもあり、すぐに検査が受けられないこともありますのでご注意ください。