新型コロナの逆風の中、岐阜県多治見市の器メーカーが、温度で色が変わる不思議な器を発売し、人気を呼んでいます。

 多治見市の「丸モ高木陶器(まるも たかぎとうき)」。陶磁器やガラスの器を製造する会社です。

 この会社が作っているグラスに冷たいお酒を注ぐと…。

白かった花火の模様に色が…。

 ほかにも、枝が描かれた盃は…。

桜の花を咲かせます。

 そして牛乳を注ぐとパンダの色が変わるボトルもあります。

 温度に反応するフィルムを使って、色が変わるようになっています。

 春の桜に夏の花火…秋の新作は「冷感紅葉」です。

紅葉の柄がついた秋らしいグラス。これも冷たい飲み物を注ぐと白いもみじがみるみるうちに赤や黄に色づきました。

これまでのグラスは白い部分に色が付きましたが、今回は緑色など白以外の部分も変化するようになっています。

 そして、冬に向けた新作は雪の結晶がデザインされたグラス。

冷たい飲み物を注ぐと次第に青く色が変わっていきます。

 丸モ高木陶器はもともと、飲食店や飛行機の機内に向けて食器を販売していたため、新型コロナで大きな影響を受け、売上も約4割減ったといいますが、コロナ禍の中、春に発売したこの冷感食器がヒットし、自信を取り戻しました。

 未曽有の事態の中でも、人に喜んでもらう器を作り続ける。その努力は必ず花を咲かせると確信しました。

 代表取締役の高木正治さんは「春であれば、桜をこういう手のひらの中に感じていただいて、そしてご自宅でほっとひと息、安らいでいただける、そういう時間を作り上げるものづくりをしていきたい」と話しています。