コロナの影響で2か月ほど休業をした三重県の鳥羽水族館に客足が戻ってきました。そこには、水族館の事を少しでも知ってもらいたいとスタッフが始めたSNSによる魅力の発信がありました。
■フォロワー数急増…SNSを活用し新たなファン獲得
三重県鳥羽市の鳥羽水族館。10月11日の日曜日、開館と同時に人だかりができる場所がありました。
ラッコのメイちゃん。2足歩行することで話題を呼んでいる人気者です。
水族館は、新型コロナの影響で2か月ほど休業。再開直後はなかなか人が戻ってきませんでした。
ところが、秋に入りGoToキャンペーンや修学旅行の需要もあり、例年の8割ほどまでに戻ってきました。
休業期間中から鳥羽水族館が力を入れ始めたのがSNSです。
水族館に来ることができない人に、少しでも魅力を知ってもらおうと、3月以来ほぼ毎日、動物たちの動画や写真をアップ。
ミルクをねだるバイカルアザラシの赤ちゃんや、2足歩行をするラッコのメイちゃんなど、話題を呼びました。
担当者は、この日、7月に生まれた、アシカの仲間オタリアの赤ちゃんの写真を撮影し、アップするものを選んでいました。
鳥羽水族館の担当者:
「こうやっていつも見て『かわいいなぁ』と思いながら写真を選んでいます」
今やフォロワー数12万人の人気アカウントに。
休館中は、客のいない館内で生き物たちを散歩させたことも。そうした日々の努力により、これまでのファンに加え、新しいファンの獲得もできました。
■「まだショーには出せない」…デビューを目指す新人飼育員の奮闘
ステージでは、ショーの練習が行われていました。南アフリカオットセイの女の子と一緒に練習していた女性は、今年入社した1年目の飼育員です。
新人飼育員:
「お客さんに見られる仕事だと思っていたのに、それがなかったので。飼育員をやっている実感はなかったです」
客のいない水族館…。入社してしばらくはそんな状況でした。
その中で、生き物たちの世話をしながらショーの練習に励み、デビューできる日を待ち望んでいます。この日は、初めて動物を交えての練習でした。
先輩飼育員:
「デビューするにはまだまだです。ちゃんと見せられるものでないと。鳥羽水族館のネームバリューがこれから彼女の肩に乗っていきますので」
新人飼育員:
「自分と動物が息が合わないと成功しないので、先輩からもしっかりノウハウを教えてもらって、最短でデビューをしたいと思います」
デビューに向けてまだまだ練習の毎日です。
■「普段は外からしか見られないので」…人気のバックヤードツアーも再開
しばらく休止していた、バックヤードツアーも再開。
この日、行われていたのは、客が普段は入れない場所を巡る「うら側探検隊のスナメリツアー」(1人500円)。スナメリの水槽のバックヤードでその生態など解説を聞ける特別なツアーです。
新型コロナの感染予防のため、探検ツアーは半年間休止していましたが、9月から県内在住者に限って復活しました。バックヤードからだと、目の前にスナメリが。
ガイド:
「じっくり観察してみてください。呼吸をするために噴気孔がパカっと開くので」
目の前で見られるのは、バックヤードならでは。
参加した男性:
「すごく近くで見られて、良かったです」
参加した女の子:
「普段は外側からしか見られないので、楽しかったです」
休業も余儀なくされた状況から半年、少しずつですが普段の水族館に戻りつつあります。むしろ、休館中の努力で更にファンは増えたといえます。
水族館の担当者は「SNSを通じて、水族館だけでなく、鳥羽市や三重県の魅力をもっと知ってもらいたいし、もっと入館者を増やす努力をしていきたい」と話します。
鳥羽水族館は今年、ベビーラッシュで、アシカの仲間オタリアの赤ちゃんをはじめ、セイウチやバイカルアザラシの赤ちゃんを見る事ができます。
歩くラッコは、朝昼夕それぞれの食事タイムに見られる可能性が高いため、その時間を狙うのがおすすめです。