滋賀県米原市にある「ローザンベリー多和田」は、バラが咲き誇るイングリッシュガーデンに羊の牧場、そして森の中のカフェと、魅力いっぱいの自然を生かした体験型ガーデンです。

 今年は園内を花畑に見立てたイルミネーションも始めました。

 様々なアイデアで他県からも人を呼び込む。施設を作った女性の原動力は、「故郷を美しくしたい」という地元愛でした。

■『ひつじのショーン』再現したエリアも…テーマは“自然の癒し” 山間にある体験型ガーデン

 名古屋から車で1時間、滋賀県米原市。その静かな山間に体験型ガーデン「ローザンベリー多和田」はあります。

 約12万平方メートルの園内には、“五感で感じる自然の癒し”をテーマに様々な施設があります。

 一番の見どころは、自生している木々や周りの自然との調和を大切した「イングリッシュガーデン」です。

 四季折々の草花を楽しむことができます。

女性客:
「花の写真を撮りたくて。バラだけじゃなく他の植物もいっぱいあってキレイです」

 また丘の上のエリアには、羊が放牧された牧場もあります。すぐ近くで触れ合えて、モフモフした毛や愛嬌のある顔に癒されます。

 その横には「妖精と暮らす村フェアリーガーデン」が。西洋風の家屋に入ると、つい先ほどまで妖精がいたかのような錯覚をします。あの「ひつじのショーン」を再現したエリアもありました。専用の写真スポットもあります。

女性客:
「大好きなショーンの世界に出てくる家に、実際に入ったりできるので、すごく楽しい」

 パンピザ体験工房では、「ひつじのショーン」のパン作りもできます。

 また園内を約1キロ走る列車は、園内の美しい風景を楽しめ、子供だけでなく大人にも人気です。

 カフェやレストランも充実しています。中庭のカフェでは「手作り煮込みハンバーグ」(1705円)など、こだわりのランチがいただけます。

そしておしゃれな雰囲気で「季節のケーキ」(550円)、アールグレイ(495円)などティータイムも楽しめます。

■「故郷を美しくしたい」…荒れ地を県外からも客が訪れる風情あるイングリッシュガーデンに

 「ローザンベリー多和田」は約17年前、代表の大澤恵理子さんの思いがきっかけに。

大澤さん:
「きれいな自分の理想の庭を作りたかったのが一番ですけど、みんなが集まって楽しめるような所になるといいなと思って」

 子育ても一段落した47歳の時、好きなガーデニングをやろうと思った大澤さんは、地元にセメント会社による採石が終わり、荒れ地になったこの土地を見つけました。これを見て「故郷を美しくしたい」と一念発起。建設業を営む夫の支援も得ながら、大規模な“理想の庭づくり”を始めました。

 開業当時、大澤さんが自然にこだわりすぎたためガーデンが地味で、客はほとんど来ませんでした。そこで、バラをはじめ様々な花を植え、華やかな「イングリッシュガーデン」に。それから客が徐々に増えていき、今では、北海道や九州からも花好きの人たちが訪れるようになったといいます。

男性客:
「元々米原市に住んでいたんですけど、地元にこういうきれいな観光地ができてとってもうれしいです」

 地元の荒れ果てた土地は、大澤さんの地元愛から県外からも人が訪れる美しい庭へと生まれ変わりました。

■100万個のLEDでバラやラベンダー畑を再現…光で彩られたイングリッシュガーデン

 「ローザンベリー多和田」では、今シーズンから新たに庭園が光で彩られる「イルミネーション」も始めました。

 約6万平方メートルの敷地に100万個のLEDを使用。関西圏では最大規模を誇ります。

女性客:
「広いですけど、光の密度というか…どこを見てもキラキラしているのがいいな」


 イルミネーションにも、あるこだわりが…。

大澤さん:
「ここはイングリッシュガーデンですので、バラの花のLEDや、芝桜、タンポポの綿毛を表しています」

 普段ぶどうの摘み取り体験をしている所には、ぶどうのツルに、紫と緑で本物のぶどうの様にイルミネーションをつけています。

 他にも、黄色の光の小麦畑のイルミネーションなど。

 施設内の鉄道「ミルキーウェイ」にも光の装飾が。1番人気で、その車窓からは光に彩られた園内が楽しめます。

 紫の絨毯のように見えるのは、ラベンダー畑。実際に春にはラベンダーが咲き誇る場所です。光の中を走る様は、まさに銀河鉄道です。

 光の小麦畑を通り抜け、フェアリーガーデンへ。そこでは、大きな木が音楽に合わせて点滅していました。

 このイルミネーションにも、大澤さんの強い思いがこめられていました。

大澤さん:
「コロナで観光業界が大打撃、観光をなんとかする一助になればいいかなと」

 夜のイルミネーションを始めた理由は、イルミネーションを楽しんだ客に、そのまま大津市内に宿泊してもらい、翌日に市内観光してもらいたいとの思いがありました。

 「ローザンベリー多和田」は、昼の部(午前10時~午後4時)・夜の部(午後4時半~午後9時)の入れ替え制となっています。<共に入場料1300円(中学生以上)>。イルミネーションは、2021年3月28日まで実施しています。