藤井聡太二冠をはじめ、若いプロ棋士を輩出している東海地方。岐阜には現役の女子高校生で、姉妹の女流棋士がいます。
岐阜市の鶯谷高校の3年生、山口仁子梨さんと、1年生の妹の稀良莉さんです。将棋に青春をかけ、揃ってプロとなった “現役女子高生女流棋士”の姉妹です。
■岐阜県初の女流棋士…現役女子高生の山口仁子梨さん 1年目はプロの厳しさ痛感
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岐阜市の中心部、金華山の麓にある鶯谷高校。将棋部は2019年、女子の団体戦で初の全国制覇を果たした強豪校です。
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タブレットで仲間の対局を撮影して戦法の研究する部員や、三段の将棋部OBから指導をあおぐ部員も…。将棋に青春をかける高校生たちの将棋盤を見つめる眼差しは、真剣そのものです。
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そんな将棋部の中に女流棋士はいました。3年生の山口仁子梨女流2級です。去年の秋、岐阜県で初めて女流棋士になった地元の期待の星です。
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色紙のサインは名前の仁子梨にちなんで、“ニッコリマーク”。女流棋士として、対局だけでなく将棋の指導やファンとの交流といった普及活動にも笑顔で取り組みました。
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仁子梨さん:
「将棋で活躍したい思いも強いんですけど、将棋の結果だけではなくて、普及の面でもしっかり活躍できる棋士になりたいです」
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プロ1年目の最後の対局は「黒星」。成績は4勝8敗でした。
仁子梨さん:
「思うように結果が出なかったんですけど。まだ力が伴ってなかったので、2年目は1つでも多く勝てるように頑張りたいです」
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プロの世界の厳しさを、痛感した一年でした。
■「二人とも負けず嫌いなので喧嘩になる」…姉と妹は永遠のライバル
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そして鶯谷高校将棋部で、もう1人輝きを見せるのが、仁子梨さんの妹で、1年生の稀良莉さんです。
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自宅には、将棋の本がいっぱいです。2人とも宿題が終わると将棋盤の前に向かいましたが、2人で対局するかと思いきや、別々に将棋の勉強をしていました。
妹・稀良莉さん:
「せっかくなら(一緒に)指せばいいのにとよく言われるのですけど、(負けたら)姉のプライドが許さないそうです」
姉・仁子梨さん
「いえいえ」
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祖父に将棋を教わった仁子梨さん。しばらくすると稀良莉さんも将棋に夢中になりました。お互いを「ニコ」「キラ」と下の名前で呼び合う、どこにでもいる仲の良い姉妹ですが、将棋のことになると…。
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姉・仁子梨さん:
「同年代の子たちとは違う、一番のライバルというか。一番負けたくないな」
妹・稀良莉さん:
「始めた頃から、将棋指してもケンカばかりな感じだったので。近いけど倒したい相手ではありました」
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将棋姉妹の一番のライバルは姉であり、妹…。棋風は真逆で姉の仁子梨さんは「受け将棋」、妹の稀良莉さんは「攻め将棋」。では、性格は…?
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妹・稀良莉さん:
「正反対。どこか抜けているんですけど、根は姉の方がまじめです」
姉・仁子梨さん:
「言葉が悪いですけど、(妹は)チャラい感じ」
将棋のスタイルも性格も全く違う2人。ちなみに似ている点を聞くと、「トマトとコーヒーが2人とも苦手」とのことでした…。
■岐阜に誕生した女流棋士「にこり」と「きらり」…プロの女流棋士姉妹が描く未来
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一足先にプロとなった姉の背中を追う妹の稀良莉さん。負けじと奮闘しました。
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2020年10月に行われた新人戦の岐阜県大会で、鶯谷高校将棋部は、男子の部で1年生が優勝。女子の部では2年生が準優勝し、稀良莉さんは、他校の選手を寄せ付けず優勝しました。
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そして11月に行われた日本将棋連盟の東海研修会。妹の稀良莉さんは、この日勝てば女流棋士の資格を得ることができる大事な対局をものにし、見事合格。姉妹の女流棋士が誕生しました。
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「大事な一局で、とても緊張したんですけど勝てたのでよかった」と話した稀良莉さん。「女流棋士として活躍すること、タイトル戦で活躍できる棋士になりたい」と夢を語ってくれました。
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妹も女流棋士になった事に姉・仁子梨さんは…。
姉・仁子梨さん:
「私はまだ2級なので、追いつかれて悔しいけど、同じスタートラインに立ったので、これからも切磋琢磨してやっていきたいと思っています」
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岐阜に誕生した女流棋士姉妹。にっこり笑ってきらりと輝きます。